68、市民生活の安全と治安
2021年10月
テロから国民の生命・安全を守ります
今年、9・11米同時多発テロから20年を迎えましたが、いまだに日本国内でも、多くの人びとがテロの不安を感じており、テロを根絶することは切実な問題となっています。罪のない人びとを恐怖に陥れるテロは、日本の右翼暴力団によるものも含め、誰によるものであれ、いかなる理由があっても、絶対に許すことはできません。
日本共産党は、国民の生命をあらゆる手段で守るという見地から、テロ対策に有効な条約、法律に賛成してきましたが、今後とも必要な対策の整備を求めていきます。
国際的な広がりをもつテロに対処するためには、国際的な協力によって、情報の収集を国内外で徹底し、テロ集団の資金の流れを押さえていくことが決定的です。そのために、テロ資金供与防止条約、核物資防護条約をはじめ、テロ対策の基本を規定した12の条約、関連する国内法の厳格な実施を求めます。
テロ集団の潜入を阻止し、摘発するうえで、警察行政、出入国管理行政の役割が重要です。その活動と体制を充実させるようにします。それでもなお、大規模なテロ事件が発生するときは、可能なあらゆる手段で国民の生命をまもります。
テロはどんなものであれ許されないのは当然ですが、一方、貧困や飢餓、大国による国際的無法行為の存在が、テロの口実となり、テロ集団を勢いづけているのも事実です。テロの口実をなくしていくことが、国民のなかでテロリストを孤立させることにもなります。テロを根絶するためにも、国連憲章にもとづく平和のルールの確立、人道支援分野での政府開発援助(ODA)の充実、異なる価値観をもった諸文明間の対話と共存の関係の確立に全力をつくします。
テロにたいするアメリカの報復戦争は、テロを減少させるどころか、逆にテロの土壌を広げ、拡散させてきました。テロ根絶に向かううえでも、アメリカの「対テロ戦争」に反対し、国連憲章にもとづく平和のルールを築くことが重要です。
市民生活の安全確保に力を尽くします
拳銃を使った凶悪犯罪は減少傾向にあるとはいえ現在も後を絶たず、2020年までの5年間に発生した発砲事件は87件、死傷者は43人におよんでいます。組織暴力団や銃器の携行に有効な手だてを打つべき警察当局の責任もきびしく問われます。
凶悪犯罪や無差別殺傷事件も繰り返し報じられるようになり、身近なところで事件が発生するなど、治安にたいする国民の不安が広がっています。こうした不安にこたえる抜本的対策が求められています。とくに警察が果たすべき役割は重要です。しかし、日本の警察のなかでは、言論機関、市民運動の監視、弾圧をおこなう警備・公安警察が、予算や体制などでいまだに幅をきかせているのが実態です。2017年に「共謀罪」法が強行されたことにより、公安警察の恣意的な捜査や不当弾圧の拡大が危惧されています。また、警察内の組織ぐるみの裏金づくりが明るみに出ても、自ら真相を明らかにし、それをただす意思も能力も存在しないなどの深刻な実態も抱えています。
日本共産党は、警察の一番のしごとは市民の安全を確保することだという見地にたって、現在の警察の体質、体制を改革します。
日本共産党は、警察官を市民生活の安全の分野に適正に配置し、足りない場合は最小限必要な警察官を増員することにより、市民生活の安全確保に努めます。