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日本共産党

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赤旗

➡2021総選挙 分野別政策一覧

19、貧困

日本社会のあらゆる分野に広がる、貧困と格差を是正します

2021年10月

 「自己責任」と「弱肉強食」の新自由主義路線をひた走る自公政権のもと、貧困と格差の拡大が深刻化しています。

 日本の貧困率(相対的貧困率)は15.4%、子どもの貧困率は13.5%でOECD加盟国平均を上回り、先進国でワーストレベルです。とくに、ひとり親家庭の貧困率は50.4%と断トツの高さとなっています。

 アベノミクスの9年間で、大富豪の資産額が6兆円から24兆円へと4倍に膨れ上がる一方、労働者の実質賃金の平均額は年22万円も減りました。そこにコロナ危機が襲いかかるなかで、非正規雇用の労働者、とくに女性と若者が真っ先に切り捨てられ、犠牲にさせられています。

 日本共産党は、コロナによって危機に瀕した暮らしと営業への補償と支援を緊急に行います。弱肉強食の新自由主義を終わらせ、家計応援の政治に切りかえることで、貧困と格差の是正を進めます。

 詳細は、「コロナ危機を乗り越え、暮らしに安心と希望を――日本共産党の新経済提言」をご参照ください。

コロナ危機で傷んだ暮らしと営業への補償と支援を行います

 コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を5兆~6兆円規模で支給し、国民の暮らしを支えます。いわゆる中間層(年収1,000万円未満程度)を含め幅広く対象にします。生活が困窮している低所得者には手厚い支給をします。

 中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終焉するまで継続します。雇用調整助成金のコロナ特例も継続します。

 生活保護を、必要な人がすべて利用できる制度に改革します。自公政権が行った生活保護費削減を緊急に復元し、支給水準を引き上げます。保護申請の門前払いや扶養照会をやめます。自動車やわずかな預貯金などを理由に、保護利用を拒む運用を改めます。

 食と住居への支援を進めます。「住居確保給付金」「生活福祉資金特例貸し付け」の支援の延長・拡大、返済困難な場合は「貸し付け」を給付に切り替えるなど、緊急の支援を強化します。

 「住まいは人権」の立場で、家賃補助や公的住宅をはじめ、住居へのセーフティネットをつくり、困窮者が住居を失わないための施策を拡充します。

 フードバンク、子ども食堂など民間の食料支援の取り組みに、助成や場所の提供など公的な支援を行います。

「働く貧困層」をなくし、8時間働けばふつうにくらせる社会にします

 「働く貧困層(ワーキングプア)」をなくすため、人間らしく働ける雇用のルールを確立し、8時間働けばふつうに暮らせる社会にします。

中小企業への賃上げ支援を抜本的に強化しながら、最低賃金を引き上げます

 最低賃金を時給1,500円に引き上げ、全国一律最賃制を確立します。

 そのために、社会保険料の減免や人件費補助など、中小企業の賃上げに向けた支援を抜本的に強化します。

非正規から正社員への流れをつくるとともに、格差を是正する均等待遇を進めます

 労働者派遣法を抜本改正し、派遣を一時的・臨時的なものに限定し、常用雇用の代替を防止します。正社員との均等待遇など、派遣労働者の権利を守る法律をつくります。

 シフト制労働者の権利を守るため、労働契約に賃金の最低保障額や休業手当の支給を明記するなどのルールをつくります。ギグワークなどの無権利な働かせ方を広げる規制緩和に反対し、権利保護のルールをつくります。

 パート・有期雇用労働者均等待遇法の制定など、正社員との均等待遇をはかり、解雇・雇い止めを規制します。

長時間労働をなくし、労働者の権利が守られる社会にします。

 異常な長時間労働を解消し、過労死を根絶します。残業時間の上限を定め、連続11時間の休息時間(勤務間インターバル制度)を確保するなど、本物の働き方改革を進めます。

 高度プロフェッショナル制度を廃止し、企画業務型の廃止など裁量労働制を抜本的に見直します。

 退職強要を許さず、解雇規制法をつくります。

 「サービス残業」を根絶するため、違反をした企業名の公表、不払い残業代を2倍にして労働者に支払わせる罰則の導入などをすすめます。「名ばかり店長」「名ばかり管理職」への残業代の不払いを許さず、時間管理を厳格に行わせます。

ケア労働の待遇改善を進めます

 国が基準を定めている、介護・福祉・保育職員の賃金を引きあげ、配置基準の見直し、雇用の正規化などの待遇改善を進めます。

若い世代が安心して就労できる環境をととのえます

 学生や高校生の就職難を打開し、若い世代が貧困に落ち込むことを防止するために、就職活動のルールをつくります。

 会社説明会やエントリーシートの受付、面接の開始日など、就職活動への社会的なルールを確立し、違反企業には企業名公表などのペナルティを科すようにします。

 新卒未就職者への職業訓練の提供などの対策を、国の責任で強化します。

 「新卒者雇用確保・促進法」を制定し、採用計画の策定、内定取消の防止など、企業の社会的責任を明確にします。

失業者・生活困窮者に対する公的支援を抜本的に強化します

 失業者や「ワーキングプア」を対象とした総合的な貧困対策をすすめます。

 雇用保険制度を抜本的に改善し、失業給付期間の拡充、受給資格期間の短縮、退職理由による差別の是正などを行います。

 失業給付が切れても再就職できず、生活が困窮している失業者への生活扶助制度を確立します。

 職業訓練の拡充や訓練期間中の生活援助の強化を図ります。

 「住まいは人権」の立場で、家賃補助制度、公共・公営住宅の増設と借り上げ、生活資金貸与制度の充実など、住居へのセーフティネットをつくり、困窮者が住居を失わないための施策を拡充します。

 子どもの教育費や住宅ローンなどの緊急助成・つなぎ融資制度を創設します。

 政府の不十分な雇用創出制度を抜本的に拡充し、国と自治体の責任で、効果のある公的就労事業を確立します。

 “最後のセーフティネット”である生活保護を、必要な人がすべて利用できる制度に改革します。

 保護申請の門前払いや扶養照会をやめます。自動車保有やわずかな預貯金などを理由に、保護利用を拒む運用を改めます。自公政権が行った生活保護費削減・生活扶助費の最大15%カットを緊急に復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げていきます。

社会保障の再生・拡充を進めます

 貧困を解消し、国民の生活苦と将来不安に歯止めをかけるため、社会保障を削減から充実へと転換し、年金・医療・介護・福祉制度の立て直しを進めます。

年金7兆円削減計画=マクロ経済スライドをやめ、減らない年金・頼れる年金に

 自公政権がいう「年金は100年安心」の中心は、「マクロ経済スライド」という年金給付の水準を減らし続ける仕組みです。日本共産党の追及を受けるなかで、自公政権は、このまま「マクロ経済スライド」が続けば、2040年代には「7兆円」の年金削減となることを、自ら明らかにしました。これが実行されれば、現在でも月6.5万円に過ぎない基礎年金の満額は約3割、月2万円分も削られ、月4.5万円の水準にされてしまいます。

 日本共産党は、「マクロ経済スライド」を廃止して、「減らない年金」を実現します。そのために、①高額所得者優遇の保険料を見直し、1兆円規模の財源をつくる、②巨額の年金積立金を給付に活用する、③現役世代の賃上げと正社員化により、保険料収入と加入者を増やす――という3つの改革を進めます。

 年金額が基礎年金満額以下の低収入の年金生活者に、一律月5,000円・年6万円を、現在の年金額に上乗せして給付します。

 将来的には、最低保障年金を実現し、無年金・低年金問題を解決します。

高すぎる負担の軽減で、必要な医療が受けられる制度に改革します

 市町村が運営する国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの「無職」、3割が非正規労働者という、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、保険料の負担率が協会けんぽや組合健保よりも高いなど、高すぎる国保料(税)が貧困に追い打ちをかけています。国保料(税)を滞納した人が、保険証を取り上げられて重症化・死亡する事件や、わずかな預貯金を差し押さえられて、さらなる困窮に叩き落される事件も各地で起こっています。

 国保に1兆円の公費投入増を行ない、事実上の人頭税である「均等割」「平等割」を廃止して、高すぎる国保料(税)を抜本的に引き下げます。生活困窮者からの保険証の取り上げを中止し、貧困に追い打ちをかける収納対策をやめさせます。

 自公政権が2022年10月の実施を狙っている、75歳以上の医療費の窓口負担の2割への引き上げを中止・撤回させます。後期高齢者医療制度の保険料の引き上げをやめ、差別制度を廃止して、負担の軽減を進めます。

 「現役世代=3割、高齢者=1~3割」という医療費の窓口負担を引き下げ、他の先進国並みの“窓口負担ゼロの医療制度”をめざします。保険診療を拡充し、差額ベッド代などの高額な保険外負担の問題を解消します。

高齢者も現役世代も安心できる介護制度に

 特養ホームなど介護施設の計画的増設により、待機者問題を解消します。利用料・保険料の減免、要支援者・軽度者からの保険給付取り上げの中止、介護報酬の増額による介護職員の賃上げ・待遇改善などをすすめ、高齢者も現役世代も安心できる介護制度に改革します。

生活保護制度の改善・改革、福祉・セーフティネットを充実させます

 生活保護を、必要な人がすべて利用できる制度に改革します。自公政権が行った生活保護費削減・生活扶助費の最大15%カットを緊急に復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げていきます。保護申請の門前払いや扶養照会をやめます。自動車保有禁止、わずかな預貯金など「資産」を理由に、保護利用を拒む運用を改めます。名称も「生活保障制度」に改め、権利性を明確にし、生存権保障にふさわしい制度に改革します。

 介護保険の導入以来、後退を続けている自治体の高齢者福祉を再建し、虐待被害・貧困・孤立など“民間任せ”“介護保険任せ”では解決しない、高齢者に係わる事案を、自治体が直接解決していく取り組みを強化します。

「女性の貧困」を打開します

 コロナ危機は女性に様々な犠牲を強いました。低賃金の非正規雇用で働く多くの女性が仕事を失い、「ステイホーム」が強いられるもとでDV被害が急増し、女性の自殺の増加率は男性の5倍にも達しています。子ども、少女たちへの虐待・性被害相談も急増し、民間団体まかせは限界に達しています。

 こうした事態の根底には、「ジェンダーギャップ指数2021」(世界経済フォーラム)で156カ国中120位となるなど、世界から立ち遅れた日本の現状と、政治の責任があります。

 雇用の非正規化や賃金引き下げなど新自由主義の経済路線と日本社会に根強く残る女性差別が結びつき、働く女性の貧困が急速に広がっていたところにコロナ危機が襲いかかり、矛盾が一気に露呈したのです。

 日本共産党は、ジェンダー平等の日本をめざす取り組みを進めながら、「女性の貧困」の打開を進めます。

男女賃金格差の是正など、働く場でのジェンダー平等を進めます

 最低賃金の引き上げ、「非正規から正規へ」の流れをつくる雇用のルールの確立をすすめながら、働く場における異常な男女間差別をなくします。

 詳細は、「ジェンダー平等の日本へ いまこそ政治の転換を」をご参照ください。

 企業に男女賃金格差の実態の把握・公表と、その是正計画の策定・公表を義務付けます。

――企業に男女別平均賃金の公表、格差是正計画の策定・公表を義務づけます。国は、その是正計画が実行されるように指導・監督を行います。

――国としても、職種、時間当たり、企業規模、地域ごとに、男女賃金格差の実態を把握、分析し、国としての是正の行動計画を策定します。

女性が多く働く介護・福祉・保育などケア労働の賃金を引き上げます

――国が基準を定めている介護、保育の賃上げや労働条件の改善、配置基準の見直しを国の責任で行うとともに、雇用の正規化、長時間労働の是正に取り組みます。

非正規から正社員への流れをつくるとともに、非正規雇用の労働条件改善と均等待遇を進めます

――非正規から正社員への流れをつくります。労働者派遣法を抜本改正し、派遣は一時的・臨時的なものに限定し、常用雇用の代替を防止する、正社員との均等待遇など、派遣労働者の権利を守る派遣労働者保護法をつくります。

――最低賃金を1500円に引き上げます。そのために、社会保険料の減免や賃金助成など中小企業への支援を抜本的に強化します。

 明文上は性別差別でなくても、転勤や長時間労働に応じるかどうかで、基本給や昇給昇格で差別をする「間接差別」をなくします。

――労働基準法をはじめとする関係法令に、間接差別の禁止、同一価値労働同一賃金の原則を明記し、差別の是正を労働行政が指導できるようにします。

家族的責任と働くことを両立できる労働のルールをつくります

――過労死をうむ異常な長時間労働をなくし、「8時間働けばふつうに暮らせる社会」にします。いますぐ残業時間の上限を「週15時間、月45時間、年360時間」にします。

――家族的責任を持つ労働者は、男女を問わず、単身赴任や長時間通勤を伴う転勤を原則禁止し、看護休暇や育児介護休業制度を拡充します。残業は本人同意を原則とします。これらの措置が、昇給昇格において不利益な評価とされることを禁止します。

ハラスメントを明確に禁止し、なくします

困難を抱え、貧困におちいった女性を救済・支援する施策を進めます

 非正規雇用のために解雇や失業を繰り返したり、虐待やDVの被害によって貧困・ホームレス状態におちいったりする女性は少なくありません。そうした女性が、風俗産業・性産業で働かざるを得なくなる事態が、コロナ禍のなかでも大きな問題となりました。救済・支援の施策が必要です。

 住宅手当や公営住宅の保障、雇用保険の適用条件の改善、失業・半失業状態にある女性への雇用相談窓口の拡充、生活保護のすみやかな支給など、貧困状態を放置せず、社会的・政治的に支援する取り組みをすすめます。

 生活困窮、DV被害、社会的孤立、性的搾取など、さまざまな困難を抱えた女性たちの支援法を制定します。差別や人権侵害を受けやすい、こうした女性の実態をつかみ、教育を受ける権利の保障、安定した雇用、健康支援など、実態をふまえた支援策の充実、差別の是正をはかり、あらゆる立場の女性の権利を守ります。

 女性の性をおとしめ人格をふみにじる性の商品化、性的搾取を許さず、法規制と相談・啓発の体制を強化します。

シングルマザーへの経済的支援を拡充します

 母子家庭の母親の8割が働いていますが、その半数近くが、パート、アルバイト、派遣社員など非正規雇用です。母子家庭の平均年収は、両親と子どもがいる世帯の平均年収の3割程度です。働く女性の雇用・賃金を立て直す改革とともに、母子家庭への公的支援の拡充が喫緊の課題となっています。

 児童扶養手当を、支給開始5~7年後に半減させるという措置をやめ、支給額の抜本的な引き上げや所得制限の見直しをすすめます。

 母子家庭の母親が安定した仕事に就けるよう、長期の雇用確保にむけた就労支援、保育所の優先入所、安価で良質な公営住宅の供給など、くらしへの支援を強めます。

 結婚歴のないシングルマザーにも寡婦控除が適用されるよう所得税法を改正します。法改正以前にも、保育料の算定、公営住宅利用の手続きなど、寡婦と同等の控除を受けられるようにします。

 養育費の支払率は2割にとどまっています。取り決め率、支払い率の向上をはかるとともに、公的な立て替え払い制度を導入します。

女性の無年金・低年金問題の解消を進めます

 現役時代の賃金格差や昇進・昇格差別など、女性の地位の低さがそのまま影響し、女性の厚生年金受給額は男性の6割です。基礎年金(国民年金)だけの受給者の大半は女性であり、その受給額は月3~4万円が最多となっています。国連社会権規約委員会は、日本の高齢女性の年金は適格な基準を満たしていないと指摘し、改善を求めています。国連女性差別撤廃委員会も、最低保障年金の創設を日本政府に勧告しています。

 低額年金を底上げし、全額国庫負担の最低保障年金を創設して、低年金・無年金の打開を進めます。最低保障年金を導入し、その上に、払った保険料に応じて年金額が増えていく仕組みができれば、「第3号被保険者問題」など、現行の年金制度の矛盾解決にも道が開かれます。

 女性の低年金問題を解消するためにも、男女の賃金格差の是正、非正規労働者と正規労働者の均等待遇、業者女性の働き分を正当に評価する税制への改善などをすすめます。パート労働者に社会保険加入の権利を保障する、遺族厚生年金を、女性が働き納めた保険料が受給額に反映する仕組みに改善する――など公平な年金制度にします。

DV被害者への支援を強化します

 DV被害者が貧困におちいる事態を防ぐため、救済と保護、自立支援の充実、暴力を防止するための施策の強化をすすめます。

 DV防止法を改正し、緊急保護命令の導入や保護命令期間の延長、保護対象の拡大をすすめます。国の予算を増やし、関係諸機関との連携協力・ネットワークづくりと切れ目のない支援、配偶者暴力相談支援センターの増設、24時間相談体制の確立などをすすめます。民間シェルターへの委託費、運営費への財政的支援を強め、施設条件の改善をすすめます。中長期滞在できるステップハウスへの助成、公営住宅への優先入居など、被害者の自立、生活再建のための支援を強めます。

先進国でワースト上位の「子どもの貧困」の打開を進めます

 先進国でワーストレベルの、日本における「子どもの貧困」を解決するには、若い世代の雇用・賃金の立て直しとともに、子育て世帯の困窮を解決し、くらしと育児を応援する総合的な対策が必要です。

貧困の実態を把握し、削減目標を設定

 政府が、子どもの貧困率の削減目標を持ち、貧困対策に取り組むようにします。国として責任をもって貧困の実態調査を行い、当事者や支援団体の協力を得ながら、貧困の解決のための体制を整備します。自治体にも、実態の把握・調査の取り組みを求めます。

低賃金・不安定雇用をなくすため、雇用のルールを確立します

 貧困拡大の大きな原因は、労働者派遣法の改悪など労働法制の規制緩和で、低賃金と不安定雇用が大幅に拡大したことです。ひとり親家庭の貧困がとくに深刻なのは、“正社員ならば長時間労働が当たり前”という働かせ方が横行し、一人で子どもを育てる人は、低賃金の非正規雇用しか就ける仕事がないからです。

 「コロナ危機を乗り越え、暮らしに安心と希望を――日本共産党の新経済提言」にもとづいて、賃上げと正規雇用への転換、働く人の権利を守るルールの確立を進めます。

就学援助を拡充、生活保護の充実など、困窮世帯の子どもへの支援を強めます

 義務教育の子どもの給食費、学用品代、修学旅行費などを支援する就学援助について、支給水準の引き上げや対象の拡充など、改善・充実を進めます。

 生活保護に準ずる世帯(準要保護世帯)の就学援助に対する国庫補助金(2005年廃止)を復活・拡充させます。

 自公政権がこの間、進めてきた、▽子どもの多い世帯ほど削減額が大きくなる生活扶助費の削減、▽母子加算の減額、▽0~2歳児の児童養育加算の減額などの改悪を中止し、子育てをする保護世帯への給付を、実態にふさわしく増額・改善します。保護世帯の子どもが、世帯分離をしなくても大学に進学できるよう、制度の改善をすすめます。

児童扶養手当を拡充します

 約90万世帯のひとり親世帯が受給する、児童扶養手当を抜本的に増額します。とくに、全体の6割を占める第1子のみ世帯への支援を拡充します。年3回の分割支給を毎月支給に変え、現行18歳までの支給を20歳までに延長します。

 支給開始後5~7年で手当額を最大2分の1まで削減する仕組みを撤廃します。

お金の心配なく、学び子育てができる社会への改革を進めます

 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等教育の無償化をめざします。入学金制度をなくします。

 「自宅4万円、自宅外8万円」の給付奨学金を75万人(現在の奨学金利用者の半数)が利用できる制度をつくり、拡充していきます。すべての奨学金を無利子にします。奨学金返済が困難になった場合の減免制度をつくります。

 学生支援緊急給付金の継続的な実施、休学や卒業延期した学生の学費補助など、コロナ対応の支援を抜本的に強化します。

 私立高校の負担の軽減をすすめ、高校教育の無償化をすすめます。

 「義務教育は無償」を定めた憲法26条にそくして、学校給食の無償化を進めます。義務教育で残されている教育費負担をなくします。

 認可保育所を30万人分増設し、保育水準を確保しながら待機児童を解消します。

 児童手当の18歳までの支給、児童扶養手当、就学援助の額と対象の拡大など、子育て世帯に向けた継続的・恒常的な現金給付を拡充します。

子どもの医療費の無料化

 就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化する国の制度をつくります。その共通の土台の上に自治体の助成制度を加え、小・中・高校生への無料化を推進します。

 子どもや障害者・児への医療費無料化(現物給付)を実施する自治体に、国保の国庫負担削減のペナルティを科す「地単カット」の全面撤廃を進めます。小学生以上の子ども、障害者・児、ひとり親家庭、妊産婦、生活困窮者、高齢者など、住民の医療費負担軽減に向けた自治体の努力を推進・応援します。

子どもの学習・生活・居場所づくりへの支援を

 生活保護世帯などの学習支援(無料塾)について、国による費用の全額負担を行います。

 「子どもの貧困大綱」にも位置づけられているスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを、すべての小・中学校に正規職員として毎日配置できるよう、国の予算措置を進めます。

 学童保育の増設と指導員の処遇改善により、待機児童問題の解決と、詰め込みの解消をはかります。すべての学童保育を6年生まで利用できるようにし、子どもたちの放課後の生活を支援します。学童保育の保育料減免を、国の制度にします。

 「子ども食堂」、遊びや学習もできる“居場所”づくりなど、ボランティアやNPOによる子どもを支える活動に対し、助成や場所の提供など、公的な支援を行います。

児童への社会的養護の充実を

 児童養護施設、乳児院、自立支援ホーム、里親など社会的養護のもとで生活する子どもたちにきめ細やかな支援ができるよう、施設の小規模化、職員の配置基準の見直し、専門職の配置などを行います。職員の処遇改善も急務です。

 施設を退所する若者に、公営住宅の優先利用など住まいを保障し、進学・就労を支援します。社会的養護の若者については、条件付きの貸付奨学金ではなく、すみやかに給付制奨学金の支給を行うべきです。これらの若者がどんな問題でも相談できる、アフターケア事業を全国で進めます。

 児童相談所や自治体の児童家庭相談窓口への、専門性のある児童福祉司などの配置を増やし、保護者と子どもの支援を進めます。

税制の不公平をただします

 貧困と格差を解消するためにも、低・中所得層が重い負担を課される一方、所得が1億円を超える富裕層の負担が軽くなったり、中小企業よりも大企業の方が法人税の実行負担率が低くなったりする、不公平税制の是正が必要です。

 消費税率を5%に引き下げ、インボイス制度の導入を中止します。

 大企業優遇税制を廃止・縮小し、法人税率を、中小企業を除いて安倍政権以前の28%に戻します。

 富裕層の株取引への税率を欧米並みに引き上げます。

 所得税・住民税の最高税率を引きあげます。

 富裕層の資産に毎年低率で課税する富裕税や、為替取引額に応じて低率の課税を行う仕組みの導入など、新たな税制を創設します。

政策