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日本共産党創立99周年(1922~2021)に寄せて

2021年7月15日


 7月15日は、日本共産党創立記念日です。今年で99周年を迎えました。各界の方々にメッセージを寄せていただきました。紹介します。


 

歴史的風雪 耐えた老舗

神戸女学院大学名誉教授
内田樹さん

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 日本共産党はインドネシア共産党、中国共産党に次ぐ「アジアの老舗」である。だが、インドネシア共産党は1965年に軍によって壊滅させられた。カール・マルクスが今生きていたら中国の支配者たちを「マルクス主義者」とは認定しないだろう。韓国では国家保安法により今もマルクス主義を賛美することは違法であり、フィリピン共産党は国際テロ組織に指定されている。つまり、アジアでは、共産党は「恐れられる」にせよ「畏(おそ)れられる」にせよ、「ふつうの市民」が近づける組織ではないのである。

 その中にあって、国会や地方議会に議席を持ち、合法的な仕方で民主主義の実現のために活動している共産党はアジアではもう日本にしか存在しない。共産党が100年の歴史的風雪に耐えて生き延び、かつマルクス主義について何を語ろうともいかなる権威者からも罰せられることがない国は世界でも例外的なのである。これは歴史的達成として日本が国際社会に誇ってよいことだと私は思う。(寄稿)


 

「命が大切」 庶民の目線

エッセイスト
海老名香葉子さん

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 庶民の味方の党だと、本当に思います。他の党の政治家にはとっつきにくい人もいますが、共産党の人たちは違います。忙しくされている時でも、困っている一市民に声をかけて親身になって相談にのってくださいます。目線が庶民と同じなんですよね。そこが頼もしいところです。

 共産党は「命が大切」とずっと訴えていますね。いま何より大事な言葉じゃないですか。新型コロナがいまだにおさまらないことは不安でたまりません。科学技術の力があるはずの日本でワクチン接種が遅れていることも不思議でなりません。国民の命を守る政治のために頑張ってほしいと願っています。

 戦争のことが本当に心配です。核兵器だけではなくロボット兵器の開発も進んでいるというじゃないですか。戦争は狂気です。人間の理性を失わせます。戦争のむごさを身をもって知る者として「戦争はいけない」と声を上げ続けないといけないと思っています。戦前の大変な時代から戦争反対を掲げてきた共産党のいっそうのご活躍を期待します。


 

権力監視をガンガンと

弁護士
太田啓子さん

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 共産党には"推し"の政治家が多くいます。

 私は党員ではないし、「共産党だから推す」わけではありません。国会の場や街頭で言っていること、SNSで発信していることが「いま言うべきことを言ってくれている」という人が共産党だったことが多いんです。

 いつもまっとうです。やはり権力批判と権力監視です。権力監視は誰がやってもいいことですが、メディアが弱っているし、権力の腐敗が進んでいる中で、「維新の会」的に長いものに巻かれて、「現実を受け入れることがおとなの判断だ」と冷笑的なスタンスがはびこることが私は怖いです。それに流されず、敢然と立ち向かっている仲間がいる、まっすぐ権力監視、権力批判をしていることが本当に頼りになります。

 東京都議選で14人と多くの女性議員が生まれたのは快挙です。パリテ法ができて、努力義務とはいえ、女性候補を増やして真面目にやっている党だと思います。引き続き、ガンガンいってほしい。


 

志を共にできる"友人"

同志社大学教授
岡野八代さん

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 わたしと共産党は、憲法で結ばれています。2012年から安倍政権とたたかい始めたわたしは、個人の尊厳を尊重し、社会的不正義にまっすぐ立ち向かう共産党のみなさんを、望ましい社会に近づくために活動と志を共にできる友人と感じてきました。

 共産党のこの間の活動は、政権が市民の批判はいうまでもなく、不満や不安に耳を貸さないなかで、政治とは、一部の者たちの権力闘争ではなく、社会の周辺で時に取りこぼされがちな弱い声をいかにみなが共有できるかを模索するプロセスなのだと、わたしたちに示してくれました。

 志位委員長の野党連合政権構想、ジェンダー平等を掲げる新しい綱領、そして新自由主義からケアに手厚い社会への転換への提言。来年結党100周年を迎える共産党の躍進は、21世紀の課題と展望がかかっているといっても過言ではないと思います。

 人心が腐敗した社会は長く続きません。党内の多様な輝きを増しつつ、市民に笑みを与える政党であり続けてください。(寄稿)


 

ジェンダー平等へ本気

作家・会社経営
北原みのりさん

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 20年前、購読した「赤旗」をすぐにやめてしまったことがあります。ジェンダーの視点が全くないことにうんざりしたのです。思想に共感しても、ジェンダーには鈍い男性の姿を「赤旗」に感じたのでした。

 日本社会で女として生きるとは、諦めを強いられることです。望むように生きたいという最低限のつつましさですら、革命戦士のような気分にさせられる。そういうなかで、恐れと不安のない世界はどこにあるのだろうと、模索してきました。

 90代にして初めてジェンダー平等に覚醒し、本気で取り組もうとしている共産党の本気を、この2年間見てきました。「赤旗」を読み、20年前とは紙面の空気が違うのを感じます。それは共産党が、全国の議会で、紙面で、本気で女性たちの痛みに向き合おうとしているからでしょう。私たちの声を聞く党の姿を見せてくれてありがとうございます。今後はさらに発言や決定権のある場に女性たちの声がたくさん届く共産党を期待しています。99周年おめでとうございます。(寄稿)


 

国内外で人権を守る党

高千穂大学教授
五野井郁夫さん

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 日本共産党は今回の都議選で躍進しました。自民党政権への攻めの姿勢を崩さず、人々のために妥協しない政党として多くの有権者の信頼を得てきているからだと思います。とくに一貫した人権尊重の姿勢で、若い人の支持を集め始めているのではないでしょうか。

 当選した日本共産党都議19人のうち14人が女性でジェンダー平等も達成。とてもインパクトがありました。

 女性活躍と言っても、口先だけでなく、実質もある政党だということを示しました。今の日本は、いまだに女性の人権が軽んじられています。女性をはじめ弱者に寄り添うことを示している政党が日本共産党だと思います。

 国際問題でも人権擁護の姿勢は一貫しています。中国共産党100周年の時にきちんと中国共産党を批判、糾弾をしたのは日本共産党でした。香港問題やウイグル問題など国際的な人権問題への対応が、国内の人権問題への対応と一貫している。これが日本共産党への国民政党としての信頼につながっています。


 

永年、将棋文化に理解

日本将棋連盟会長・棋士(九段)
佐藤康光さん

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 この度は日本共産党創立99周年を迎えられます事、心よりお慶び申し上げます。

 「しんぶん赤旗」に主催いただいております将棋界の若手登竜門の棋戦「新人王戦」も現在52期を数え、半世紀を超える歴史を紡いでおります。永年に渡り、将棋文化にご理解をいただいております事を感謝申し上げます。

 私自身も一度決勝まで進むことができ、その時は残念ながら負けてしまいましたが、若き日の青春の思い出として今でも印象に残っております。

 現在は新型コロナウイルス感染症がなかなか治まらず、日本および世界がどう進んでいくのか先が見えにくい状況ではありますが、より良い日本の社会を目指し、明るい未来を切り開いていただければと思います。

 益々のご隆盛をご祈念申し上げます。


 

庶民見ぬ与党 鉄ついを

落語家
立川談四楼さん

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 まずは党創立99周年おめでとうございます。さすがは日本最古の政党の面目躍如です。長年ブレない姿勢に敬意を表しつつ、いつも共鳴しています。

 都議選は立派なたたかいぶりでした。五輪中止をハッキリ掲げたのは共産党だけでしたね。胸のすく思いでした。他はよくて無観客、まったく五輪に触れない政党もあり、私は演説中の彼らに問いました。「五輪開催に賛成なのか」と。ダンマリは賛成派です。「コロナ禍にそれでいいのか」とさらに言い、立ち去りましたが、そう問うた3人中1人が落ちました。世の中を冷静に見られないとそうなるのです。

 秋には総選挙です。都議選で立憲民主党との見事な共闘を見せ、赫赫(かくかく)たる成果を上げ大きな自信になっていることでしょう。さらにそこを強化し、庶民をまるで見ない与党に鉄ついを下してください。創立100周年に向け何を見せてくれるか、大いに期待しています。


 

菅首相の暴走を止めて

作家・法政大学教授
中沢けいさん

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 日本共産党創立99周年おめでとうございます。

 創立99年の日本共産党には、第99代の菅義偉首相の暴走を止めてほしいと思います。

 あと1年で100年を迎える御党にとって、とても大事な1年になるのではないでしょうか。一番古く、継続的な政党です。長い歴史のうえで、いろんなことがあったと思います。その歴史や経験はすごいものがあると思います。

 東京都議選は、「勝者なき選挙だった」と報じられていますが、低投票率の中で、日本共産党と立憲民主党が議席を増やしました。野党共闘により、自民党に勝てることが分かったと思います。

 社会党がなくなり、日本共産党の役割は以前よりさらに求められています。男性だけでなく、女性や個人事業主、外国人やマイノリティーの人々も含む「労働者」のために社会制度を整えようとしているのは日本共産党だと思います。ここに一番期待しています。


 

五輪中止 弱者の声代弁

ノンフィクション作家 元博報堂社員
本間龍さん

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 以前から五輪の中止を主張し続けてきました。この1月に志位和夫委員長が代表質問で「この夏の東京五輪は中止すべき」と踏み込んで菅義偉首相を追及したことを高く評価しています。コロナ危機のもと五輪を開催する危険性や、公正な大会にならないという欺瞞(ぎまん)性を国会で指摘した最初の政党だからです。「五輪より命を」の主張は、弱き者のために発言する日本共産党の姿を象徴するものだと思います。

 国民の安全を顧みず、党利党略で五輪に突っ走る自公政権は終わりにすべきです。日本共産党も参加する連合政権に期待したい。ただ、国民の間には戦前につけられたイメージから「共産党は怖い」などの思いをもつ人も少なくありません。日本共産党が一党独裁の立場に立つのではなく、連合政権を目指すことや一致しない問題は政権に持ち込まないことなどは「前にも説明したよ」と腐らずに、何度でも説明して、国民に分かってもらうことが大切です。(写真は本人提供)


 

力合わせ答え出す時代

法政大学教授
山口二郎さん

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 人間にとっての最大の脅威は、ある種の資本主義にあることが明らかになりつつあります。労働力の商品化を徹底し、利益の追求のために人間を単なる道具にしてしまうという意味で、資本主義が人間にとっての最大の脅威になるのです。資本主義経済の矛盾を最も一貫して批判してきた日本共産党の議論の先見性が今日、改めて注目されていると思います。

 一方で、資本主義経済の脅威を抑え込んで人間を幸せにする経済をつくっていくために幅広い合意をつくる時代だと言えます。コロナ危機の影響もあり、数世紀に1回の大きな転換期に来ています。

 共産党と力を合わせてまずは人間を大事にする社会・経済をつくっていくという大きな課題の答えを出していく時代です。

 都議選の結果は、野党協力の成果は大きいということを痛感させました。総選挙にむけて、日本共産党と立憲民主党を中心とする野党が自公政権に代わる選択肢を示すことが非常に大事です。


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