2025年4月15日(火)
きょうの潮流
春眠、暁を覚えず。季節や環境の変化でなにかと気ぜわしい時期。できれば心地よく眠り、気分よく目覚めたいものです▼ちゃんと寝ることが人間の体にとっていかに大切か。睡眠の質が悪くなったり睡眠時間が不足すると、風邪を引きやすくなったり、血圧が高くなったり。太りやすく、筋量が減って骨折しやすくなる、皮膚の潤いもなくなる。そんなことが科学的に解明されています▼一方で、きちんとした睡眠はホルモンバランスを整え、免疫力を上げる。脳もさえて若返る。睡眠や精神医学を専門とする西多昌規さんが著した『眠っている間に体の中で何が起こっているのか』は、体のすべてに影響する睡眠の大切さを説いています▼ところが日本人の睡眠時間は世界と比べても短い。OECD(経済協力開発機構)の調査でも33カ国の中で最下位。厚労省によれば1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は男性が37・5%で、女性は40・6%となっています▼睡眠で休養がとれているという人の割合は減る傾向にあり、4人に1人が慢性的な不眠に悩まされているといいます。その理由としては仕事や勉強、通勤や通学、体調不良やストレスをあげる人が多い。背景には長時間・過密労働も▼良い睡眠とは、その人がよく眠れたと感じて、日中元気に活動できることだと西多さんはいいます。「人生で眠っている時間は決して無駄な時間ではない」。健康に大きくかかわる睡眠は基本的人権の一つ。良い睡眠が、誰にでも保障されるように。