2025年4月11日(金)
主張
都議選の争点 住宅
異常高騰抑え安心の住居確保
住宅や家賃の高騰に都民の悲鳴が上がっています。住まいという暮らしの根幹を脅かす事態をどう打開するのか―都議選の重大な争点です。
都の資料によれば、東京全体でマンションの平均価格が1億円を超え、都民の平均年収の12倍にもなっています。1990年前後は、国も都も、住宅費は年収の5倍以内を目安としていました。現在の住宅費高騰の異常さを都も認めざるを得ません。
住宅費高騰は自然現象ではありません。転売目的の住宅投機横行が大きな原因です。都が破格の安値で都有地を提供して大規模開発された中央区の「晴海フラッグ」のマンションも投機対象にされましたが何の規制もありません。
■開発偏重が招いた
都が国と一緒に進めてきた野放図な再開発が地価を上昇させ、住宅費高騰の大きな原因となっています。
野澤千絵・明治大学教授は著書で、都が進める品川駅・田町駅周辺の再開発区域に隣接する場所がこの10年で東京23区で最も地価が上昇した地点だと指摘します。この再開発で整備されるのは、富裕層や海外投資家の投資目的に沿う超高級マンションです。
都は容積率を緩和できる「再開発促進地区」を定め、都内各所で民間再開発を誘導しています。都有地や都営住宅用地を提供し低層の都営住宅を高層に建て替え、空いた用地に家賃月200万円の高級マンションを建てさせることまで行ってきました。
これらを進めるために、自民党、公明党、都民ファーストの会が支える小池百合子都政は、「東京都住宅マスタープラン」から、超高層マンションなどの新規開発の「規制や誘導のあり方を検討」するという記述を削除しました。
都や国は大手不動産開発業者の固定資産税などを半分にすることもしています。都民の税金・財産を使って大手業者をもうけさせ、都民が住み続けられない東京にした自・公・都ファの責任は重大です。「財界優先」を切り替え、大規模開発・投機を規制し課税を強化する―それができるのは日本共産党だけです。
■公的責任を果たせ
小池都政は、都と民間が100億円ずつ出資して運用し投資家に収益を分配するファンドをつくり、中古ビルや住宅を改修して「手ごろな価格」の住宅を提供するとします。しかし、供給可能数も家賃の見込みも明らかにしません。専門家からは「供給戸数が少なければ政策として意味がない。ごく少数の人しか入居できず不公平感が強い」と指摘されています。
共産党都議団は、▽当面3年間、100万世帯に月1万円の家賃補助▽公社住宅の家賃が近隣民間家賃に合わせて決まる仕組みを改め、中間所得層向けに所得に応じた家賃の住宅供給を再開し10年間で5万戸を供給▽約1万7千戸の募集にのべ約13万6千人もの申し込みがある都営住宅について、(1)26年ぶりの新規建設再開(2)建て替え時の増設(3)借り上げ都営住宅の活用―で10年間で10万戸を供給する、ことを提案しています。
都民の安心の住まい確保のためには、共産党の議席確保・議席増が不可欠です。