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2025年4月5日(土)

きょうの潮流

 独立にはお茶が深く関係していました。アメリカを植民地にしていた大英帝国は課税を強める法を導入。紙や鉛、ガラス、そして茶の輸入に関税を課しました▼後に残ったのは茶税だけでしたが、これに対する民衆の抗議運動が独立戦争を呼び起こしたといいます。人々の不満を募らせた不当な関税。それがアメリカ合衆国の誕生につながったのです▼トランプ米政権が世界の国や地域に一律10%の関税を課すと発表しました。さらに主な国々に対しては一方的に算定した高率をかけると。示した資料には人が住んでいない南極近くの島も含まれ、ペンギンやアザラシにも課税するのかと皮肉交じりの報道も▼「われわれの経済的な独立宣言だ」。トランプ大統領は得意げですが、独善的なふるまいに国際社会から非難の声が相次ぎます。オーストラリアの首相は「完全に不当だ」と批判し、カナダ首相は労働者と産業を守る姿勢を示しました▼報復が報復を呼ぶ貿易戦争の行きつく先は歴史の教訓に。1世紀ほど前、米政権の高関税政策が世界の混乱を招き大恐慌が深刻化。第2次世界大戦への道を開いたといわれました。二の舞いを踏まないためにも、常軌を逸したトランプ関税を食い止めなければ▼多国籍企業のために弱肉強食の競争を持ち込んできたのは当の米国です。今回の暴走は内外の国民を苦しめ、アメリカ経済にとっても自滅の道へ。大惨事を招いてきた身勝手な関税。それに代わるのは各国の主権を尊重した公正な貿易ルールです。


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