2025年4月2日(水)
二つのゆがみをただし抜本的転換迫る 共産党の論戦
大軍拡・統合作戦司令部創設
政権の深刻な矛盾露呈
![]() (写真)「軍拡許すな」「自民の汚れ金で庶民生活壊すな」と抗議する人たち=3月19日、衆院第2議員会館前 |
「自衛隊が米軍指揮下に組み込まれる体制づくりだ」―日本共産党は、3月24日に発足した陸海空自衛隊を平時から有事まで一元的に指揮する「統合作戦司令部」の本質が、敵基地攻撃能力の行使を念頭に自衛隊を米軍指揮下に置く日米統合であることを厳しく追及。根拠を示せず統合を否定するばかりの石破政権の深刻な矛盾を浮き彫りにしました。
同日、山添拓議員の追及に中谷元・防衛相は、同作戦司令部新設で同盟国などの司令部と「情報共有・作戦協力が一元的にできる」ようになり、「反撃能力(敵基地攻撃能力)を活用し、作戦指揮を行う」と認めました。
山添氏はコルビー米国防次官候補が3月4日の上院公聴会で、米韓同盟における有事の指揮権は在韓米軍司令官が握っている実態を念頭に、単一の司令官の下で運用する米韓同盟のように日米同盟も「統合の一つのモデルに向かう必要がある」などと主張したことに言及。憲法9条のもと違憲として歴代政府が一貫して否定してきた、自衛隊が外国の指揮下に入ることを米側が主張していると突きつけました。
中谷防衛相は「自衛隊、米軍はそれぞれ独立した指揮系統に従って行動している」などと繰り返しただけ。統合作戦司令部が本質的には“米軍従属下の大本営”づくりとも言うべき極めて危険な動きだと一貫して追及している政党は、日本共産党しかありません。
日本共産党は、2025年度予算で軍事費だけが異常に突出していることを真正面から追及しました。小池晃書記局長は3月6日、社会保障関係費、文教費など暮らしの予算はどれも物価上昇に実質マイナスである一方、軍事費は過去最大の8・7兆円で前年度比9・5%の増加だと指摘。さらにコルビー氏が同月4日に日本の軍事費を国内総生産(GDP)比3%以上へ引き上げるよう要求したことをあげ、「GDP比3%は年約18兆円となり、暮らしも財政も破綻する」と強調し米国の要求を拒否するよう求めました。
また、日本共産党は緊迫する国際情勢に対して平和外交を発揮するよう要求しました。大門実紀史議員は同月28日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、公的年金の積立金をパレスチナ自治区ガザで虐殺を行うイスラエルや米国の軍事企業に出資している実態を告発。GPIFが委託した会社が投資先を決定しているとして、米国が軍事企業と認定し取引を制限した中国企業への投資から引き揚げた事例に言及しました。政府が虐殺に加担する企業との取引をしないと決めれば出資の引き揚げは可能だとして決断を迫ったのに対し首相は答弁を避け、逃げました。
吉良よし子議員は同月27日、党を代表して参加した核兵器禁止条約第3回締約国会議で核廃絶への強い思いを訴えた被爆者の言葉を紹介し、核抑止にしがみつく政府の姿勢を追及しました。
胎内被爆者で日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の濱住治郎さんの、原爆は未来を奪う「悪魔の兵器だ」との言葉を示し、核使用が非人道的な結末をもたらすとの認識があるかただしました。「その認識を共有する」と述べた石破首相に対し、吉良氏は「政府の固執する『核抑止』論は核の非人道性を批判することと根本的に矛盾する」と指摘。加えて、核兵器は「全ての国家の安全保障、国家の存立を脅かす」との同会議の政治宣言を引用し、「核抑止」ではなく「核廃絶」しかないとして同条約の批准を強く要求しました。
自民の根深い金権体質
助け舟だす国民民主党
石破茂首相が自民党の新人国会議員に10万円分の商品券を配っていた問題は、改めて自民党の根深い金権体質をあらわにしました。根底には、「赤旗」と日本共産党が自民党の裏金事件を追及し、追い詰めてきた政治状況があります。
商品券は、首相公邸で開かれ官房長官らも出席した会合の「お土産」として配布されたもの。首相は「ポケットマネー」「政治活動ではない」との弁解で押し通そうとしていますが、通用しません。領収書も取らず政治資金収支報告書にも記載しない商品券は、典型的な裏金です。日本共産党の小池晃書記局長は、商品券の原資として領収書不要の官房機密費が使われた可能性も追及し、「首相の資格はない」と批判(3月18日)。共産党はこの問題を徹底追及し、石破内閣に総辞職を求めています。
井上哲士参院議員が首相の商品券配布は「自民党の慣例になっているのではないか」と迫ると、石破首相は「答える立場にない」と述べるのみで否定できませんでした。井上氏は都議会自民党での組織的裏金づくりも追及(同19日)。各地の自民党地方組織にも裏金システムがまん延していることを浮き彫りにしました。山下芳生参院議員は、商品券配布の根底には裏金事件への無反省があると批判し、「新たな裏金づくりを続けるなら退陣すべきだ」と迫りました(同21日)。
金権腐敗の温床である企業・団体献金の禁止が求められていますが、自民党は存続に固執。その自民党に助け舟を出しているのが、国民民主と公明です。3月28日には企業・団体献金の存続で自民党と合意。「野党」を標ぼうする国民民主が自民党に同調し、野党共同提出の企業・団体献金禁止法案の否決を狙っているのは重大な問題です。
高額療養費引き上げ
患者らと「撤回」を要求
「直ちに撤回することを求める」(1月28日、衆院本会議、田村智子委員長)―。日本共産党は、石破茂首相が狙う高額療養費の負担上限額引き上げに対し、医療団体や、がん・難病患者らと結んで正面から反対し続けました。
田村貴昭議員は2月4日、引き上げにより「国民の15人に1人が負担増になる」と指摘。引き上げの検討過程にも切り込み「患者団体から話すら聞いていない」「引き上げありきだ」と告発しました。
ところが自民、公明両党と日本維新の会は3月4日、負担上限引き上げを含む2025年度予算案の衆院通過を強行しました。
小池晃書記局長は同6日、「全国がん患者団体連合会」(全がん連)理事の「立ち止まってほしい」との願いを示し、100億円あれば引き上げが「凍結」でき、「予算のやりくりで十分に可能だ」と撤回を迫りました。
翌7日、首相は全がん連役員らと面会し約3600人分のアンケートを受け取った後、25年度の引き上げ見送りを表明。国民の運動と国会論戦がかみ合い、衆院通過直後に予算案修正が決まる大破綻に追い詰めました。
伊藤岳議員は同10日、「患者の苦悩に応えるのならば、負担上限額引き上げの全面撤回と引き下げしかない」と要求。しかし首相は、国会で「引き下げる方向での検討は考えていない」と答弁しました。倉林明子議員は同17日、この答弁を示し「今年は凍結するが来年には解凍するのか。なぜ限度額の引き下げを検討から外すのか」と追及。「白紙撤回が再検討のスタートだ」と迫りました。
引き上げを見送る修正部分は同31日、衆院で同意を得て成立。田村貴昭議員は同日、衆院本会議で「凍結」は「がんや難病に苦しむ人々の声が政治を動かした結果だ。凍結ではなく白紙撤回を」と求めました。
暮らし・経済
法人税減税「深い反省」
「参院をばかにしないでほしい」―石破茂首相が3月25日、公明党の斉藤鉄夫代表との会談で、予算成立後に「強力な物価高対策」を策定する意向を示したことに、与野党から批判が噴出しました。予算案の採決を前に、自ら提出した予算案が物価高に効果がないと認めたようなものです。
政府は、物価高騰の特効薬である消費税減税には背を向け、社会保障削減など暮らしに冷たい姿勢でした。日本共産党は「二つのゆがみ」に正面から切り込み、物価高対策なら消費税減税をと政府に迫りました。
小池晃書記局長は、法人税減税など優遇税制を「大義なきばらまきだ」と批判。大企業が求める研究開発減税について「減税額の9割が資本金1億円以上の大企業だ」と強調し、多額の内部留保を抱える大企業への優遇税制をやめるよう要求しました。また富裕層を優遇する、金融所得に対する税率が低い「1億円の壁」を取り払うべきだと迫りました(3月6日)。
小池氏は、消費税導入以来の消費税収の累計が539兆円であるのに対し、法人税、所得税、住民税の減税の累計も613兆円だとし、「法人税減税は、賃上げや設備投資、下請け支援にも回っていない」と強調。石破首相は「法人税を下げたことが思ったような効果を上げなかったという深い反省の上に、法人税改革に取り組んでいきたい」と、初めて「深い反省」を口にしました(同26日)。
物価高騰の影響が顕著なのが食料品。特にコメ不足・価格高騰は深刻です。紙智子議員は、政府の備蓄米21万トン放出表明後もコメの価格が値上がりを続け、コメの民間在庫が今年8月には昨年以上にひっ迫する可能性を指摘し、コメ増産を要求しました(同12日)。
日本共産党は自民党政治をおおもとから転換するとともに、国民の切実な要求の実現につながる論戦を展開しました。
倉林明子議員は、公費1兆円の投入で、高すぎる国民健康保険料引き下げを要求し、「皆保険制度の崩壊を放置するな」と政府に迫りました(同17日)。
吉良よし子議員は入学しない大学にも入学金を支払う「二重払い」を批判。「受験機会の不平等を生む入学金は廃止して、学生の学問の自由を保障すべきだ」と迫りました(同15日)。
仁比聡平議員は、夫婦同姓を強制する制度は大日本帝国憲法下の「家制度」と不可分に始まったと指摘し、家父長制的な家族観を乗り越えて選択的夫婦別姓制度を実現するよう呼び掛けました(同26日)。
岩渕友議員は「原子力の最大限活用」が書き込まれた第7次エネルギー基本計画を批判。原発の安全性は確保できないとし、「原発回帰は許されない」と追及しました(同18日)。
伊藤岳議員は、埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故を受け、下水道などの老朽化対策を追及。軍事費は8・7兆円に増やす一方、国民の命や安全を守る公共インフラの老朽化は置き去りにする政治の転換を求めました(同10日)。