2025年3月28日(金)
「核抑止」正面からただす
参院予算委 吉良議員が迫る
核廃絶が最大の安全保障 核禁条約批准求める
日本共産党の吉良よし子議員は27日の参院予算委員会で、自身が参加した国連本部で開催された核兵器禁止条約の第3回締約国会議を踏まえ、石破茂首相が固執する「核抑止」論を批判し、「核兵器の脅威を取り除く最大の保障は核兵器の廃絶しかない」と迫りました。
![]() (写真)石破茂首相(左)に質問する吉良よし子議員(右)=27日、参院予算委 |
吉良氏は締約国会議について、採択された政治宣言で「核兵器禁止条約は激動の時代の中での希望の光である」と確認され、核兵器廃絶を目指す「揺るぎない決意」も示された重要な会議だったと強調。日本政府が会議に参加せず被爆者から失望を招いたことについて石破茂首相の見解をただしました。石破首相は「期待に応えられなかったのは事実だ」と認めました。
「悪魔の兵器」だ
吉良氏は、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の濱住治郎氏が「母親の胎内で被爆した胎内被爆者」であり、会議で「体内被爆者は生まれる前から被爆者という烙印(らくいん)が押されている」「原爆は本人の未来を奪い、家族をも苦しめる『悪魔の兵器』だ」と訴えたことを紹介。石破首相に「核兵器の使用が非人道的な結果をもたらすものだとの認識はあるか」とただしました。石破首相は「その認識は共有する」と答弁しました。
吉良氏は「核兵器の非人道性を認めるというのであれば、いかなる状況のもとでも核兵器の使用は許さないと日本政府として表明すべきだ」と迫りました。石破首相は「核を使おうとし、軍事的に有用と考える勢力から国民を守ることもわれわれの責務」などと答弁。“いかなる状況のもとでも核使用を認めない”と明言するのを避けました。
吉良氏は、首相が核使用を認めないと明言しないのは「核抑止」論に立っているからだと指摘。「核抑止」論とはいざという時には核使用を前提にし、広島・長崎のような非人道的な惨禍を引き起こすこともためらわない理論だと批判しました。この「核抑止」論を主張することと、核兵器の非人道性を批判することは根本的に矛盾すると強調し、「矛盾するという認識はあるか」と追及しました。石破首相は「(矛盾すると)思わない」と強弁し、どう矛盾していないかは語りませんでした。吉良氏は「そうやって『核抑止』にしがみついている姿勢が問題だ」と批判しました。
吉良氏は、第3回締結国会議の政治宣言が「核兵器は、核兵器を保有しているか、『核抑止』に賛同しているか強く反対しているかにかかわらず、すべての国家の安全保障、ひいては国家の存立を脅かすものである」としていると指摘。「つまり、核兵器は、人道的に許されないだけでなく、万が一、核兵器が使われれば、その危険は国境を越え、地球規模で広がり、すべての国家の安全保障、国家の存立を脅かすものだ」と強調しました。
吉良氏が、核兵器が全ての国家の安全保障にとって脅威であることは「核抑止」に賛同しているか反対しているかにかかわらずあまりにも明らかだと追及。石破首相は「それは否定しない」と言いつつ、「拡大抑止に安全保障の一部を委ねている」と強弁しました。
地球全体に被害
吉良氏は「『核抑止』の対抗が緊張を高め、誤りや誤算も含め、万が一、核兵器が使われれば、わが国を含む北東アジア、地球全体が破滅的な被害を受ける。核兵器の安全保障上の脅威を取り除く最大の保障は『核抑止』ではなく、核兵器廃絶しかないのではないか」と迫りました。
石破首相は「核を実際に持っている、あるいはその可能性が非常に高い国があり、脅威として存在をしている」などと答弁。吉良氏は「『核抑止』とはすべての人の生存を脅かす核のリスクの存在そのものを前提にした議論だ。『核抑止』であったとしてもミスはありうる。破綻しないという保証はどこにもない。核拡散、エスカレートが拡大していく懸念もある」と反論。「唯一の戦争被爆国である日本が『核抑止』論に固執し、核兵器禁止条約を批准しない、議論に参加すらしないのはあまりにも恥ずべきだ。今すぐ核兵器禁止条約を批准することを強く求める」と迫りました。
それでもなお「核保有国も参加するNPT(核不拡散条約)で、いかに核軍縮をすすめるかに注力する。『核抑止』論は今でも有用な議論だと思っている」などと述べる石破首相に対し、吉良氏は「『核抑止』論にこだわりつづけたままでは核廃絶にならない」と改めて強調。「被爆者の期待に応えられていないと認めたのなら、核兵器禁止条約を批准すべきだ」と求めました。