2024年10月9日(水)
旧優生保護法の被害者補償法案
倉林議員の賛成討論(要旨)
参院内閣委
日本共産党の倉林明子議員が8日の参院内閣委員会で行った、旧優生保護法の被害者補償法案への賛成討論の要旨は次の通りです。
旧優生保護法の1948年の成立、52年の改定には日本共産党も賛成しました。非人道的な違憲立法が、被害者に与えた苦しみは筆舌に尽くせません。「憲法のもとでの他に類をみない人権侵害」を引き起こした重大な誤りとしてわが党の責任も厳しく問われるもので、心からの深いおわびを表明します。
旧法は、障害のある人を「不良な子孫」として命の選別を肯定し、不妊手術、中絶を強制し、子どもを持つことを自分で決める権利を奪いました。日本障害者協議会の藤井克徳代表は「一人の人間の命の継承を断ち、人生の可能性を奪った」「誤った障害者観を打ち立て、優生思想にお墨付きを与え、差別を法制化した」と指摘しています。
一時金支給法制定時(2019年)、原告、弁護団等からは、人権回復の一歩として、国による被害者への謝罪が強く求められました。一時金の金額は、優生手術の人権侵害を小さく評価することになるとの批判も受けました。
法制定後5年もの間、裁判闘争を被害者に強い、その間6人の原告が亡くなりました。かたくなに非を認めず裁判を引き延ばした政府の重大な責任を指摘し、立法府も重くうけとめなければなりません。
最高裁判決は、優生保護法は個人の尊厳を保障する憲法13条と法の下の平等を定めた14条1項に違反し、立法当時の社会状況を勘案しても正当化できず、立法行為は違法だったとしています。
「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」は判決をうけ、「国会と政府は、1996年の優生条項撤廃時にも、そして2019年の一時金支給法制定時にも、優生保護法による被害の調査、謝罪、救済、総括はしませんでした。『戦後最大の人権侵害』といわれる事件が、どうしてこんなに長い間、放置されてしまったのか、私たちは、国の無責任な姿勢と人権意識の希薄さを許すことはできません。被害を放置した国会と政府は、原告ら被害者の人生を奪い、命の継承を奪った責任を今すぐにとるべきです」と述べています。この言葉を真摯(しんし)にうけとめ、調査・検証、優生思想根絶に向け施策の見直しを進めなければなりません。
全ての被害者の尊厳回復と優生思想の根絶と、障害のある人への差別偏見の根絶に向けた施策が早急に求められます。最高裁判決を真摯にうけとめ、全面解決に向け誠実に全力で取り組む決意を表明します。