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2024年6月22日(土)

農業者に罰則を批判

紙氏 食料供給困難事態対策法

参院農水委

写真

(写真)質問する紙智子議員=11日、参院農水委

 日本共産党の紙智子議員は11日の参院農林水産委員会で、輸入途絶など不測の事態に際し、農業者に農産物の転換・増産を指示し、従わないものに罰則を科す食料供給困難事態対策法(14日成立)は安保3文書と軌を一にした悪法だと批判しました。

 農水省は、食料の供給が困難になる「兆候」は地政学的リスクに伴うサプライチェーン(物流)が混乱する事態だと説明しています。紙氏は「国家安全保障戦略」で言う「シーレーンが脅かされる事態」も入るのかと質問。坂本哲志農水相は「シーレーンへの影響を含むあらゆる地政学的事象に対応し得るものだ」と答えました。

 紙氏は、食料供給困難事態には、生産者以外の国民にも穀物の生産を要請するとしているが、要請対象をどう把握するのかと質問。農水省の杉中淳総括審議官は「すでに交付金や補助事業等によって事業者を把握している。平時から生産できる人の候補者を整理する」と答えました。紙氏は離農した人も含めて監視するものだと指摘しました。

 紙氏が、本来、生産者が自由に作付けるべき作物の増産や生産転換の強要は、憲法22条の営業の自由への侵害だと追及すると、坂本農水相は「必要最小限の措置として類似の法制度も参考に規定した。憲法上の問題があるとは考えていない」などと答弁。紙氏は、強制的、統制的な法律だと批判しました。

 紙氏は、穀物の備蓄と在庫は何が違うのかと質問。杉中審議官は「在庫はサプライチェーンの各段階で民間企業が保管しているもので、備蓄は政府や民間とわず供給不足に備えて保有している在庫」だと答弁。紙氏は流通段階で止まっている在庫とは別に、公的な備蓄の拡充が必要だと主張しました。


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