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2024年6月8日(土)

日本版DBS法案

井上議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の井上哲士参院議員が7日の参院本会議で行った、こども性暴力防止法案についての質問要旨は次の通りです。


 子どもに対する性暴力は、人権を深く傷つけ、その傷跡は心身に生涯にわたって回復することのない重大な影響を与えるもので、絶対に許されません。

 本法案により、事業者に、性犯罪事実の確認や児童対象性暴力防止措置を取ることが義務化されますが、▽その義務を負う事業者▽それと同等の措置を実施する体制が確保されていると認定を受けた民間教育保育事業者▽未認定の事業者―の三つの層が生まれます。子どもに性的な欲望を抱く者が認定制度を受けていない事業者に集中する可能性があります。子どもの「性的人権保障」の観点から、こうした格差はあってはならないと考えますが、どのように対応していくつもりですか。

 性犯罪の9割は初犯とも言われています。本法案は、初犯対策としてどのような対応を盛り込んでいるのですか。同時に加害者更生の取り組みが重要ですが、取り組みの現状、今後の強化方向についてうかがいます。

 性加害者をつくらないためにも、また性被害を受けたときの対応方法を学ぶためにも、包括的性教育が不可欠です。

 人権尊重を基盤とした包括的性教育の具体的内容を示した国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」は(1)人間関係(2)価値観、人権、文化、セクシュアリティ(3)ジェンダーの理解(4)暴力と安全確保(5)健康と幸福のためのスキル(6)人間のからだと発達(7)セクシュアリティと性的行動(8)性と生殖に関する健康―の八つの柱があります。年齢層に区分して学習内容が掲げられ、学び手の成長や発達にそって創意工夫しながら取り組み、子どもの自己肯定感や探究心を育むことを目指すものとなっています。

 23年の「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」に盛り込まれた、子どもたちを性暴力の加害者、被害者、傍観者としないための「生命(いのち)の安全教育」には「包括的性教育」という言葉はおろか、「性教育」との文言さえ見当たりません。性教育をさせないための学習指導要領の「歯止め規定」は見直すべきです。

 本法案に基づく制度を十全に発揮するうえで、「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づく包括的性教育を位置づけることが不可欠です。


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