2024年6月1日(土)
質良い保育 保障こそ
井上氏「誰でも通園制度」批判
参院内閣委
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日本共産党の井上哲士議員は30日の参院内閣委員会で、「こども誰でも通園制度」が、子どもの安全がないがしろにされかねないと批判しました。
同制度は、親の就労にかかわらず、時間単位で子どもを保育施設等に預けられるもの。「保育」ではなく、「遊びと生活の場」の提供とされています。
井上氏は「全ての子どもたちの育ちを応援するというなら、親の就労要件を見直し、子どもたちに質のよい保育を保障すべきだ」と求めました。加藤鮎子こども政策担当相は「保育の要件を見直すことは困難」と背を向けました。
同制度は、居住地以外の都道府県をまたいだ自由利用も想定しています。井上氏は「具体的ニーズはあるのか」と追及。藤原朋子こども家庭庁成育局長は「利用者からのニーズは把握していない」と答弁しました。
井上氏は、毎回、異なる施設で一時的な利用を可能とする自由利用は、特定の大人との安定した関わりが必要な発達段階にある子どもにとって深刻なストレスを与えること、保育施設における死亡事故が乳児期や施設への預けはじめに多いことを指摘し、「子どもたちの安全をないがしろにするものだ」と批判。保育士の負担も大きいため、「全員資格を持った保育士を配置するべきだ」と求めました。加藤担当相は、同制度は「保育の必要性のある子どもを対象とするものではない」と述べ、保育士以外の人材活用も検討すると述べました。