2024年2月25日(日)
ウクライナ侵略2年
「ロシアは国連憲章軽蔑」
事務総長、順守を要求
【ワシントン=島田峰隆】グテレス国連事務総長は23日、ロシアによるウクライナ侵略について「国連憲章を軽蔑していることが問題だ。その順守こそが解決策だ」と述べ、ロシアに国連憲章の順守を要求しました。ウクライナ侵略開始から2年にあたって同日開かれた国連安全保障理事会で演説しました。
グテレス氏は、各国の主権平等や領土保全、紛争の平和的解決などを定めた国連憲章と国際法は「戦争の惨禍のない世界をつくる道しるべだ」と強調しました。「ロシアによるウクライナ全面侵略はその両方を直接的に蹂躙(じゅうりん)した」と批判しました。
また国連憲章の原則こそが「異議申し立てを解決する道具にならねばならない」「国連憲章や国際法、国連総会決議に基づいた公正な平和を実現する時だ」と訴えました。
グテレス氏は特に「アフリカ諸国の指導者の知恵に敬意を表し、その例に倣わねばならない」と語りました。
アフリカでは植民地の宗主国が国境線を引いて民族や共同体が引き裂かれました。グテレス氏は「それにもかかわらず独立後のアフリカ諸国の指導者たちは国境線を変更する試みは流血とさらに深刻な対立を生むと理解した」と語り、侵略で領土を奪う道は選ばなかったアフリカ諸国の歴史を指摘しました。
グテレス氏は「未来について合意するには国連憲章と国際法が基本だ」と訴え、「だからこそロシアによる侵略は危険な前例になる」と警鐘を鳴らしました。