2024年2月23日(金)
統一協会と国に初の審問 東京地裁
解散命令速やかに
全国弁連が会見し声明
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統一協会(世界平和統一家庭連合)の解散命令請求を巡り東京地裁(鈴木謙也裁判長)は22日、国側と協会側から意見を聞く審問を初めて開きました。協会側は田中富広会長が出席しました。審問に先立ち全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は同日、都内で会見して声明を公表。審理を迅速に進め、速やかに解散命令を出すよう求めました。
文部科学省は昨年10月、解散命令を東京地裁に請求。地裁の審理は「非訟事件手続法」に基づき非公開で進められています。今回の審問も公開されていません。
全国弁連の声明は、被害者が長年にわたり財産を統一協会から搾取され続け、日々の生活ですら困窮している人が多くいると指摘。速やかな被害者救済や協会による財産散逸を防止するために、「解散命令が早期に発令されるべき必要性は極めて大きい」と主張しています。
米国では1978年に下院フレイザー委員会が、統一協会による米政界工作について調査し、報告書を公表しています。声明では同委員会を例にあげて、日本でも国会、地方議会で第三者委員会などを立ち上げ、政界との癒着実態を調査し、公表することを要望しました。また政治家に対して、協会と選挙で支援をうけるなどの関係を絶つよう要請。議会でも断絶決議をするように求めています。
会見で川井康雄弁護士は、統一協会と政治家の癒着解明について第三者が入る形での客観的な調査がとても大事だと強調しました。木村壮弁護士は、「協会が必ずしも必要でない反論をだらだらすることを、裁判所が許さないよう審理をすすめてほしい」と述べました。
審問後に取材に応じた統一協会側の代理人によると、田中会長は信者からの献金について「献金の受領は宗教活動の一環に他ならない」などと陳述したといいます。