2023年12月25日(月)
自民励ます「世界日報」 統一協会系日刊紙
「安倍派報道の屈辱に負けるな」
深い関係 改めて証明
自民党派閥が政治資金パーティー収入を政治資金収支報告書に記載せず裏金にしていた疑惑について、統一協会(世界平和統一家庭連合)系の日刊紙「世界日報」が、「安倍派報道の屈辱に負けるな」と同党を“激励”しています。統一協会が安倍派(清和政策研究会)と深い関係を築いてきたことが、改めて証明された形です。(統一協会取材班)
問題の記事は、18日付で掲載された「【政界一喝】安倍派報道の屈辱に負けるな」というコラムです。
この中で「自民党の多額の政治資金不記載問題がメディアで躍っている」と、あたかもメディアが悪いかのごとく強調しています。その上で「多額の政治資金不記載を『安倍派の裏金』と書かれる日本政治は、これが国際社会にいかなる国の損失をもたらしているか」と強調。政治資金規正法違反の疑いがもたれている収支報告書への不記載や裏金づくりを批判すること自体が問題かのように描いています。
現在、安倍派の幹部はそろって裏金づくりの疑いがもたれ、東京地検に告発されています。そんな中でコラムは安倍派の議員全員に向けて「安倍元首相と安倍派の名誉にかけて、その遺志を受け継ぐ有志らによって再起し、日本国のために立ち上がらなければならない」と叱咤(しった)激励しています。
安倍晋三元首相は一昨年9月に韓国で開かれた統一協会ダミー団体の集会にビデオメッセージを贈るなど、協会と深い関係にありました。協会は安倍派の歴代会長とも選挙支援などで密接な関係を築いていました。とくに安倍元首相の祖父岸信介元首相は協会政治組織「国際勝共連合」の発起人になるなど、広告塔を自ら買って出ていました。
統一協会の元信者2世は「『屈辱』と書くなんて、裏金づくりを正そうという発想にたっていない記事だ。全容解明をしてこそ国民の信頼を得られる。いま安倍派を擁護するのは倫理的におかしい。統一協会内で、この考え方が『善』だとなっているのなら怖い」と指摘します。