2023年12月6日(水)
統一協会被害者救済のための法案
本村議員の討論(要旨)
衆院本会議
日本共産党の本村伸子議員が5日の衆院本会議で行った統一協会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済のための自民、公明、国民民主の3党提出法案と、包括的な財産保全を盛り込んだ立民、維新の2党案への賛成討論の要旨は次の通りです。
統一協会は半世紀以上、正体隠しや不安をあおった勧誘により信仰選択の自由を奪った状態で、協会の教義を信仰させ、違法な霊感商法、高額献金で人々の財産を収奪し、一人ひとりの人生を壊すなど、被害を広げてきました。これを放置してきた政府、とりわけ自民党の責任は重大で、被害者救済のための法整備は国会の責務です。
10月13日、政府が被害者の声を受け、統一協会について全国で「相当甚大」な規模の被害を確認し、その「悪質性、継続性、組織性」を認定し、解散命令請求を行ったことは極めて重要です。
法案に求められているのは、統一協会の解散命令が確定するなどの間の財産の散逸を防ぎ、被害者の救済を実効性あるものにしていくことです。包括的な財産保全は被害者救済の要です。財産の隠匿・散逸があっては、すべての被害者を救済できません。
統一協会への解散命令が確定した段階で初めて脱会を決意し、ようやく被害者として声を上げられる方がでてきても、その時点で財産が散逸していては、一切救済されないことにもなりかねません。
与党提案者は民事保全手続きによる救済をいいますが、日本共産党の質問で、それだけでは救われない人々が出てくると認めました。それなら包括的財産保全に踏み出すべきです。
しかも被害者は、宗教的虐待や脱会後の精神疾患などさまざまな事情で今も苦しんでいます。その被害者個々人が自助努力で個別に財産保全の手続きを講じなければならないのは、被害者に過大な負担を強いるものです。
3党案は、法テラスの制度拡充など、民事手続きを利用しやすくする意義はありますが、これだけで被害者の実効的救済につながるとは到底言えません。
日本共産党は、被害者や被害対策弁護団が、両案それぞれの積極面を生かした立法を求めてきたことを踏まえ、両案に賛成の態度をとりますが、包括的財産保全実現のための検討協議を今すぐ行うべきです。
新たに発覚した岸田首相の疑惑をはじめ、自民党と統一協会との癒着関係を徹底究明することが、被害者を救済するうえで不可欠だと厳しく指摘します。