2023年11月27日(月)
NHK日曜討論 小池書記局長の発言
日本共産党の小池晃書記局長は26日のNHK「日曜討論」で、臨時国会の論戦、政府の経済対策、統一協会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済のための財産保全法案審議、今後の日本外交などについて、各党の幹部と議論しました。
収入不記載疑惑
国会論戦をめぐり、自民党の主要5派閥(政治団体)が政治資金パーティーの収入計約4000万円を政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑について議論になり、自民党の稲田朋美幹事長代理は「訂正、説明を各派閥がしている」などと述べました。
小池氏は「自民党ぐるみの疑惑だと言わなければならない」と批判したうえで、「『しんぶん赤旗』日曜版が報道した部分をその都度訂正しているだけだ」と稲田氏の弁明に反論。2022年の政治資金収支報告書でも自民5派閥のパーティー券収入などの不記載があったと指摘し、「表に出ない部分は隠しておこうという姿勢だからこんなことになる」と断じました。
また小池氏は、岸田文雄首相が昨年に1回の収入が1千万円を超える大規模なパーティーを計6回開催していたことに「大臣規範に反する」と厳しく批判。「首相自身が資金集めに精を出しながら、一方で『所得税減税ではなく消費税減税を』との国民の声に耳を貸そうとしない。岸田政権の政治姿勢が根本的に問われている」と述べ、政治資金パーティーも含め企業・団体献金を禁止すべきだと強く求めました。
政府の経済対策
所得税と住民税の減税など政府の経済対策について問われた小池氏は、「物価高騰が問題であり、減税するなら消費税だ。買い物のたびに減税され、確実に消費に結び付き、景気対策にも中小企業支援にもなる」と強調。「消費税を5%に下げ、複数税率をなくし、インボイスを廃止する。これが一番正しい道だ」と述べました。
「少子化対策」財源
政府が「少子化対策」財源確保のため、医療保険に上乗せして支援金を徴収する制度を創設するとしていることについて小池氏は、「目的も趣旨も全く違い、流用だ。可処分所得を減らし、事業主の負担も増え、賃上げにも逆行する」と指摘。政府がうたう社会保障費の歳出改革についても、「診療報酬や介護報酬の削減が言われているが、医療・介護従事者は900万人、全体の13%だ。ここの賃下げは経済全体に波及し、医療・介護崩壊をもたらすことになってしまう」と批判しました。軍事費が30年近く5兆円前後で推移してきたが岸田政権発足後に2・5兆円も増加していると指摘し、「大軍拡をやめて子育て支援に回すのが正しい税金の使い方だ」と強調しました。
統一協会法案審議
統一協会の財産保全法案審議に関する議論で、立憲民主党の岡田克也幹事長は、自民、公明、国民民主の3党案が、憲法の信教の自由などを理由に統一協会の財産流出を防ぐための財産保全を見送ったことについて「宗教活動は障害にならない。憲法に反するという論理は旧統一協会の主張と全く同じで、私はまだ関係は切れていないのではと疑ってしまっている」と述べました。
小池氏は、3党案について「被害者に民事保全などの努力を求めるものだ。深く傷ついている被害者に訴訟などの手続きを求めるのは酷だ。解散命令が出るまでの間に海外に資産が流出する危険もある」と指摘。包括的な財産保全が必要だとして「与野党で真摯(しんし)に話し合って一致点を見いだす努力をすべきだ」と提起しました。
小池氏は、自民党が統一協会との癒着の問題を徹底解明して関係を完全に断ち切るべきだと強調。「それができないまま財産保全を避ける法案を出してきたら、岡田さんがおっしゃったが何かあると疑いを持たれても仕方がないのではないか」と述べました。
日本外交
最後に今後の日本外交について問われ、小池氏は「最も求められるのはガザでの殺りくを止めることだ」と強調。日本がイスラエルともパレスチナとも外交関係を持ってきたとして、「イスラエルとハマスの双方に停戦を呼びかけることができるはずだ」と訴え、「殺傷能力を持つ武器を輸出することも憲法の精神に反することだ」と述べました。