2023年11月8日(水)
被害者へ「謝罪」の言葉なし
統一協会が会見 解散請求受け入れず
文部科学省からの解散命令請求を受けて、統一協会(世界平和統一家庭連合)の田中富広会長らが7日、都内の協会本部で記者会見し、請求について「到底受け入れられない。今後も法的主張を貫く」と表明しました。同会長は冒頭、信者2世らに「心からおわびする」と述べましたが、「被害者」や「謝罪」という表現は認めませんでした。質疑では献金などの被害の背景を「現場の伝道者による説明不足」などと説明し、協会の組織的な体質ではないとの認識を示しました。
本紙は参加を申し入れましたが、「満席」を理由に断られました。会見は動画投稿サイトの統一協会公式チャンネルで配信されました。
会長は、解散命令について裁判所が判断するまでの間、60億円から最高100億円を拠出して国に供託する意向を表明。「被害者も金額も現状では特定されていない」としつつ「特別措置として供託制度を用意いただければ当法人で準備する」と述べました。
協会が裁判所の判断の前に資産を海外などに移転させる恐れが指摘され、財産保全のための新たな立法の議論が始まっています。
これについて同会長は、銀行から海外送金を制限されているなどとして「不安には及ばない。財産保全措置法の必要性は全くない」とけん制しました。
司会は統一協会側が務めました。会見前に司会者が「質問は1社1問、本日の会見内容に限る」と発言。記者側の求めで当初1時間だった会見時間を30分延長しましたが、質問を重ねようとした記者を「制限させてください」とさえぎる場面もありました。