2023年10月1日(日)
統一協会 「法令順守」以降も19億円被害
統一協会(世界平和統一家庭連合)が「法令順守を徹底した」と主張している2009年以降も高額献金などの被害が続いており、弁護士が受任したケースだけで140件、金額で計19億5092万円に上ることが、全国霊感商法対策弁護士連絡会の集計で分かりました。30日、同会の東京集会で明らかにしました。(関連記事)
それによると、うち少なくとも37件は全額が09年以降の被害。その他は、09年以前と以降にまたがって被害に遭っています。
統一協会は勧誘や物販の入り口で、宗教団体であることを告げない「正体隠し」の手法が批判されてきました。09年には関連印鑑販売会社を警視庁が摘発し、特定商取引法違反の罪で社長らの有罪が確定。これ以降、協会は法令順守の徹底に努めていると主張しています。
しかし、全国弁連の集計の「勧誘・被害の状況」をみると、09年以降も「正体を隠し自宅訪問」「宗教であることを秘して勧誘」などの記載が多く見られます。また、▽被害者に「返還請求しない」という念書を書かせていた▽親族の預貯金を引き出させた―などの悪質なケースも。集計を担当した吉田正穂弁護士は「法令順守宣言以降も、手口も被害も変わっていない」と指摘しました。