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2023年8月1日(火)

統一協会被害 調停申し立て

迅速な返金へ弁護団

東京地裁 不成立なら提訴検討

 統一協会(世界平和統一家庭連合)をめぐる霊感商法や高額献金の問題に取り組む「全国統一教会被害対策弁護団」は31日、被害者への返金を迅速にするため、協会側に当事者間での解決を求める民事調停を東京地裁に申し立てました。統一協会に集団交渉を申し入れてきた被害者108人の請求総額は、損害賠償と慰謝料の計35億7774万7639円にのぼります。


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(写真)民事調停の申し立てについて記者会見で説明する弁護士ら=31日、東京都千代田区

 同日の記者会見で弁護団は、交渉段階で協会側が被害者の献金記録を開示せず、協会側が違法行為や組織的不法行為の事実を否定するなど「不十分、不誠実な内容になっている」と指摘しました。

 協会側は、個別の対応を全国各地の「信徒会代表」に任せ、霊感商法については「販売会社に問い合わせるべき」だと主張しています。山口広・弁護団事務局長は「信者たちの行為に統一協会の責任があるのは当然だ」と強調しました。

 弁護団は、迅速な解決のために「統一協会本部による責任ある対応を求める」とし、調停が不成立になる場合は「提訴を検討する」と説明しました。

 村越進・弁護団長は「被害者は高齢化し、困窮している人もいる。訴訟になれば時間がかかり、負担は重い」として「統一協会が自らの不法行為の結果である深刻な被害と真摯(しんし)に向き合い、被害者救済のために誠実に対応することを改めて求める」と述べました。

 会見で中森麻由子弁護士は、信者家族からの深刻な相談事例を紹介。ある家族は、統一協会の信者だった母親が生前に2億円を超える献金をしたといいます。協会側から「1億数千万円の献金は認められるが、本人の信仰心に基づいて行われた」との回答があり、相談者から「裁判所で徹底的に争い、きちんと返してほしい」と求められたことを明かしました。


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