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2023年5月23日(火)

宗教虐待防止せよ

信者2世団体が声明

むち打ち・輸血拒否問題“極めて不十分”

 宗教団体「エホバの証人」や統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者2世・3世らでつくる「一般社団法人スノードロップ」など複数の団体が連名で22日、宗教を背景としたむち打ちや輸血拒否の児童虐待防止をエホバに対して強く求める声明を発表しました。


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(写真)エホバの証人が信者に向けて出した通知「お知らせ」の多数の問題点を指摘し、「やりなおし」の紙を掲げる綿和孝さん(仮名)=22日、東京都千代田区

 3月に厚生労働省の担当者はエホバの証人関係者らと面会し、エホバがむち打ちや輸血拒否を容認していないことを信者に周知するよう要請しました。

 これを受けてエホバは信者に向け通知を発表。通知は「児童虐待を容認していない」としながらも組織的に行ったむち打ちについては一切触れておらず、子どもへの輸血拒否については「輸血を受け入れることはしません」と表明しています。

 スノードロップらは声明で、エホバが出した通知の内容は児童虐待防止には極めて不十分だと批判。

 そのうえでエホバに対し、▽教団がこれまでむちを推奨していた事実を公式に認め、むちによる虐待を行わない▽虐待を受けたすべての2世、3世らに謝罪する▽輸血を含め、医師が必要と判断した医療行為を子どもに受けさせる▽医療行為を受けさせた結果、その決定をした親や家族に対し一切関わらない断絶や排斥、教団内での地位はく奪などの処分をしない▽未成年信者が他の信者との交流を一切禁止される忌避を行わない―ことを要求しています。

 22日、厚生労働省で会見したスノードロップ代表の夏野ななさん(仮名)は「現在被害に遭っている子どもたちはもちろん、成人した現在も苦しんでいる被害者も非常に多い。そういった人々への支援についても積極的な議論がされることを望みます」と語りました。

 任意団体「JW児童虐待被害アーカイブ」代表の綿和孝さん(仮名)は、高校生の頃に同年齢の女性信者がエホバから受けた「排斥」の処分に触れ、「私たちの世代でこの問題は終わらせたい」と訴えました。


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