2023年4月5日(水)
主張
統一協会と地方選
癒着を断ち切る審判を下そう
統一協会の反社会的行為を地域からなくし、被害の救済をはかることは統一地方選の重要課題です。なにより必要なのは政治との関係を断つことです。昨年の安倍晋三元首相の銃撃事件は、自民党と統一協会との深い癒着を浮き彫りにしました。しかし、岸田文雄首相は解明に背を向けたままで、「関係を断ち切る」は言葉だけです。地方議員との接点調査も党として行わず、本人任せです。統一協会は自治体首長や地方議員と結び付きを強めているケースも数多くあり、影響は深刻です。統一協会との癒着のない政治を実現する有権者の審判を下すことが重要です。
「決別」求める声は切実
統一協会と自民党の密接な関係は地方政治にも顕著に現れています。共同通信社の昨年11月の調査では、統一協会と関連団体などと接点がある都道府県議は少なくとも334人にのぼり、そのうちの8割以上は自民党議員でした。選挙支援を受けていたと回答した議員もいました。日本維新の会などにも関係を認めた議員もいました。一方、回答しない議員も少なくなく、広く浸透している可能性をうかがわせます。
昨年、統一協会と政治の癒着究明や被害者救済などを求める意見書が自民党などの反対によって、複数の県議会で相次いで否決されました。被害の根絶を願う住民の声に真っ向から逆らう許し難い事態です。統一協会はジェンダー平等の考えに反する「家庭教育支援条例」を地方で推進しています。各地で同条例の制定に向けた動きの中心になっているのは自民党議員であり、政策的な一体ぶりもあらわになっています。
統一協会はマインドコントロールした信者に選挙協力させることなどで自民党を中心に関係を深め、政治に浸透しました。自民党は日本共産党や市民と野党の共闘の前進を阻むため、統一協会を利用しました。統一協会に政権側がお墨付きを与えてきた結果、被害は深刻化しました。自民党はその責任を免れることはできません。
統一協会の信者2世などの有志でつくる「統一決別統一地方選実行委員会」は3月30日、統一協会との関係が報道された都道府県議と政令市議をまとめたデータベースをホームページで公表しました。同実行委は地方選の立候補者に▽統一協会と関連団体との決別宣言をする▽選挙支援を受けない―ことなどを求めています。
全国霊感商法対策弁護士連絡会も3月18日、政治家に統一協会との関係断絶を求める声明を発表しました。政治家が決別しなければ、統一協会の反社会的活動の是正が困難になり、正体を隠した違法な勧誘による被害を広げる危険があることなどを訴えています。
統一協会との関係を調査もせず、国民にもそれを明らかにしないまま、選挙を乗り切ろうという自民党の姿勢は不誠実です。
選挙を汚す謀略を許すな
日本共産党は国会でも地方議会でも統一協会と政治の癒着の全体像の解明を求めるとともに、被害者の一刻も早い救済、被害拡大の防止に全力をあげています。統一協会=国際勝共連合は日本共産党を誹謗(ひぼう)中傷する宣伝物を配布しています。選挙を汚す謀略行為を許してはなりません。統一協会との癒着に反省を示さない自民党の政治を担う資格が問われます。