2023年3月27日(月)
徹底追及 統一協会
反共謀略ビラを全国展開
開祖の言で信者あおる
社会的批判は「共産の策動」
統一協会(世界平和統一家庭連合)の政治組織「国際勝共連合」が、統一地方選挙にあわせて反共謀略ビラを全国で配布しています。本紙の取材で、勝共連合幹部が、統一協会への社会的批判は日本共産党による“策動”の結果であると信者に刷り込んで反共キャンペーンに駆り立てていることが分かりました。(統一協会取材班)
|
統一協会・勝共連合は3月に入って仙台市などで集会を開いています。関係者によると、講師の渡辺芳雄勝共連合副会長が、安倍晋三元首相の銃撃事件以降、統一協会・勝共連合が批判を受けているのは、「日本共産党の策動だ」と信者らに訴えているといいます。
敵意むき出し
本紙が確認したある集会では、渡辺氏がこんな話をしていました。
―統一協会の韓鶴子総裁は、批判の背景に共産主義者、日本共産党の策動があり、これを阻止するために、私たちの心構えを明確にする必要があると述べた。韓総裁の一言は非常にありがたかった…。
韓鶴子総裁は統一協会の開祖文鮮明の妻です。2012年に文鮮明が亡くなると、韓鶴子は“生まれながらのメシアだ”と言いだして自身を神格化しました。マインドコントロールされた信者たちにとって文鮮明、韓鶴子夫妻の指示は絶対で強制力を持ちます。
渡辺氏は講演で、文鮮明の「共産主義に関するすべてのものを打破しなければならない」という言葉も紹介し、日本共産党への敵意をあおっています。
年末から計画
統一協会関係者によると、首都圏のある地域では、統一地方選挙が始まる3月に勝共連合の会合を持つことを、昨年末から計画していました。
関係者によると、勝共連合の幹部が、統一地方選前だから共産党に影響を与えるようなビラ配布をする、と語ったといいます。
統一協会・勝共連合が社会的に批判されているのは、自民党と癒着し、霊感商法、高額献金、集団結婚など反社会的行為を繰り返してきたからです。これらの反社会的行為は裁判でも違法だと認定されています。
社会的批判が高まるなか、統一協会・勝共連合は窮地に立っています。渡辺氏は先の集会で「(統一協会・勝共連合への)批判はおかしいと反撃する。反撃しないと、反撃できないと思われる」と述べています。また関係者によると、統一協会のある教会長は信者を前に、「これが最後のたたかい」「大変なことは共産党とのたたかい」と檄を飛ばしたといいます。
追い詰められた統一協会・勝共連合が反共謀略という“存在意義”を示そうとしている―そんな狙いが浮かび上がります。