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2023年3月5日(日)

徹底追及 統一協会

元首相に行事出席依頼

鳩山氏事務所長証言 断ると金銭提供申し出

他の政治家にも働きかけか

 統一協会(世界平和統一家庭連合)関係者が2019年、鳩山由紀夫元首相に対して韓国で開かれた関連イベントへの出席やビデオメッセージなどを依頼していたことが4日までに分かりました。鳩山氏の事務所長を務める芳賀大輔氏が本紙の取材に応じ、元議員や知人を通じて複数回の依頼を受け、断ると金銭の提供を持ちかけられたと証言しました。(統一協会取材班)


 芳賀氏によると、統一協会側は旧民主党に所属していた元議員の秘書を通じてイベントへの出席を依頼。「アジアなどから要人が集まる国際的なイベントだ」として「出席できないならメッセージを」と協力を求められたといいます。

 芳賀氏は「統一協会は韓国でも『異教』と聞いていたので、近づくことは適切ではないという認識だった」とし、すぐに依頼を断りました。

 その後、協会側は鳩山氏と親しい韓国人を通じてイベントへの協力を依頼。鳩山氏側が再び断ると、金銭の提供を持ちかけられたといいます。芳賀氏は「こちらが同様の依頼を断ったのに、お金の話をされたので、あまりにも無礼だと思った」と振り返ります。

 同じ時期に協会側は、鳩山氏との会食を打診。鳩山氏側は一度だけ応じ、統一協会の政治組織「国際勝共連合」の梶栗正義会長ら3人が出席しました。

 同席した勝共連合幹部の一人は、その後も2度にわたって芳賀氏を訪ね、鳩山氏側との関係を深めようとしてきたといいます。

 鳩山氏は民主党政権の2009年9月から10年6月まで首相を務めました。芳賀氏は「元首相で一定の知名度もあったので、統一協会が広告塔として利用したかったのではないか」と述べています。

 統一協会側が政治家に金銭提供をほかにも持ちかけてきた可能性があります。

 21年9月には、統一協会のダミー団体「天宙平和連合」(UPF)が韓国で開いたイベントに安倍晋三元首相がビデオメッセージを贈りました。安倍氏は「韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」と称賛していました。

 自民党は昨年、所属国会議員に統一協会との関係について自主点検を求めました。ただ、安倍氏やUPFのイベントに出席した細田博之・衆院議長は対象に含まれておらず、金銭提供についての調査はされていません。ほかにも協会系のイベントに協力した国会議員、地方議員は多く、徹底解明が求められます。


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