2023年2月2日(木)
徹底追及 統一協会
宮崎市長選を支援
22年 現市長が「家庭教会」訪問
動画に“ビラ配布・電話かけ”
2022年1月の宮崎市長選で自民党支部の一部と国民民主党支部の推薦で初当選した清山知憲市長(41)が選挙前に市内の統一協会(世界平和統一家庭連合)施設「宮崎家庭教会」を訪れていたことが1日、本紙の調べで分かりました。清山氏は同年8月9日、自身のツイッターに「統一協会との繋(つな)がりはありません」と投稿していました。ただ、統一協会の韓国組織がユーチューブで公開していた動画によると、協会側が支援の内容を報告しています。(統一協会取材班)
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この動画では、九州・沖縄の統一協会を統括する第5地区長を務めた朴鍾泌氏の発言が公開されていました。
動画で朴氏は、当選した清山氏の顔写真と経歴をモニターに表示。清山氏と統一協会の関係者とみられる人物が並んだ写真も紹介しました。選挙支援の経緯と内容について、こう述べています。
「黒木恒一郎宮崎市議(2020ワールドサミット参加)が清山氏をつれて、宮崎家庭教会金泰進教区長にお会いし、応援依頼。家庭集会を開き清山氏が宮崎市を刷新したいとの決意ある話に、応援することになる。声掛け、ポスティング、電話掛けをする」
朴氏が報告した通りであれば、清山氏の応援依頼に応えて統一協会側が選挙運動をしたことになります。
22年の宮崎市長選は、現職だった戸敷正氏(自民党支部の一部が推薦)と清山氏らの激しい争いになりました。
統一協会との関係を聞くため、市役所に質問状を送ると、清山氏から記者に電話がありました。
清山氏は「選挙前に黒木議員とあいさつ回りをし、宮崎家庭教会というところには確かに連れて行かれた」と認めました。一方で「集会に出てあいさつをしたことはない」と否定しました。
同じ動画の中で黒木氏の名前は、同年1月24日に統一協会のダミー団体が開いたイベント「第4回 日韓指導者ウェビナー」の参加者としても紹介されています。
清山氏は、黒木氏と統一協会の関係を「知らない」と回答。訪問先が統一協会の施設とは知らなかったとして「韓国人の教区長が出てきて名刺交換をしたが、写真を撮ったかどうか…」「『頑張りますので、よろしくお願いします』くらいは言いますよね」と続けました。
選挙運動について清山氏は、ビラ配布や電話かけを事務所から統一協会の関係者に依頼したことは「一切ない」といいます。一方で「組織の中の人たちが自分たちの仲間に電話かけをしていたら、全く把握できない」「統一協会がそうやって(市長選で応援したと)PRしているということではないか」と述べました。
黒木氏は取材依頼に対し、対応できないとしています。
宮崎県内で統一協会の問題に取り組む速水渉(わたる)弁護士は「統一協会は政治家との関係を問題のない団体だと思わせる宣伝材料に利用してきた。市民から多くの被害が報告されている中で、市長候補という立場で統一協会の施設を訪問した理由について説明するべきだ」と指摘しています。