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2023年1月25日(水)

徹底追及 統一協会

先祖供養1500万円

新法成立後も信者に要求

不安あおり「解怨を」

 統一協会(世界平和統一家庭連合)が信者に求める先祖供養の行事をすべて終えるには、計約1500万円の献金が必要となることが24日、本紙の調べで分かりました。不当な寄付を規制する法律(救済新法)の成立後も、協会の韓鶴子総裁は供養の達成を信者に要求しており、高額献金被害が続くことが懸念されています。(統一協会取材班)


 問題の供養は「先祖解怨(かいおん)・先祖祝福」と呼ばれる行事です。統一協会は地獄にいる先祖の因縁で子孫が不幸になるなどと信者を脅しています。そのうえで▽430代前までの先祖を解怨(供養)する▽解怨された先祖を霊界で「祝福」(集団結婚)させる▽最終的に「絶対善霊」となって子孫を守る―と教え込み、それらのためには献金が必要と勧誘します。

 統一協会の費用計算サイトによると、430代前までの先祖解怨を達成するためには652万円の献金が必要です。先祖祝福の場合は86万8千円が必要となっており、両方を合わせて738万8千円となります。

 夫婦が信者の家庭は、それぞれの先祖ごとに供養が必要とされるため、合計約1477万6千円の献金を払うことになります。

“教義にない”

写真

(写真)先祖解怨を解説した統一協会の信者向けのアニメは、死後に苦しむ先祖の姿をおどろおどろしく描いています(統一協会のHPから)

 古参の元信者は、もともと教義に先祖解怨・先祖祝福という考えはないといいます。これらは統一協会の開祖文鮮明、韓鶴子夫妻のもとで1999年から始まったもの。当初は120代前までの先祖が対象でした。その後、210代前、430代前とさかのぼるようになり、献金額も増えていきました。

 統一協会のアニメ「天使のささやき 先祖解怨編」は、地獄で苦しむ先祖のおどろおどろしい動画を紹介したあと、「何かをするにはそれ相応の対価が求められる」などと信者を追い立てています。

 また本紙が入手した『先祖解怨・祝福受付ガイドブック』(2007年発行)によると、献金を完納しなければいったん地獄から出た先祖が再び地獄にもどり、「早く解怨してくれないことを恨むようになり、子孫に悪さをするようになる」と、不安をあおって献金を強要する内容となっています。

裁判でも違法

 不安をあおって怖がらせ自由な意思に基づかない状況で、先祖解怨に多額の献金をさせる行為は民事裁判でも違法とされています。救済新法でも、霊感で不安をあおり、不利益を回避するためには献金が必要不可欠と告げることなどを禁止しています。

 統一協会の韓鶴子総裁は3日の新年あいさつで、先祖解怨・先祖祝福の達成と430の家庭を伝道せよという趣旨の指示を信者に出しています。

 両親が信者の、もるすこちゃん(仮名)は、「韓鶴子総裁から先祖解怨や430家庭の伝道達成を求められると、信者は“伝道は大変だから、せめてお金でなんとかなる先祖解怨を頑張らねば”となる。協会はそんな信者の思考回路を分かっていて要請している。許せない」と述べています。


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