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2022年11月30日(水)

1億円超17件も

統一協会被害 日弁連が報告

一定の財産持つ人が狙われたか

 統一協会(世界平和統一家庭連合)などによる霊感商法などの被害について日本弁護士連合会(日弁連)は29日、同会に寄せられた法律相談の中間結果を報告しました。統一協会の被害額が大きいことや長期間の被害が目立つなどの特徴があります。


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(写真)霊感商法などの被害に関する法律相談の特徴を報告する日本弁護士連合会の芳野直子副会長=29日、東京都千代田区

 中間結果は9月5日から10月27日までに東京の三つの弁護士会が相談に応じ、集計が完了した389件を分析したもの。このうち8割にあたる309件が統一協会に関する相談でした。全国での相談件数は、同期間で624件にのぼります。

 統一協会で際立っているのは財産に関する相談で、253件(81・9%)となっています。被害額1000万円以上が128件(41・4%)で、100万円以上を合わせると229件(74・1%)。1億円以上の被害も17件(5・5%)ありました。

 被害を受けた人は壮年の世代が76・4%で、記者会見した日弁連の芳野直子副会長は一定の財産を持つ人が狙われた可能性があるといいます。統一協会を含め被害を受けた人は全体で女性が約6割でした。

 統一協会の勧誘手口については、正体を隠した勧誘が39・8%でした。また戸別訪問やアンケート、占いを装った悪質な勧誘事例も報告されました。正体を隠した勧誘は違法だとの判決が確定しています。

 芳野副会長は、統一協会の被害の特徴について「非常に長い期間の被害が多い」と説明。20年以上前に被害を受けはじめた件数が全体の60・5%(187件)にのぼり、被害が現在も継続している割合は26・9%(83件)だとしています。芳野副会長は被害者救済について、調査に基づいて「日弁連として提言や意見を出したい」と語りました。

統一協会に関する相談事例から(要約)

・繁華街で「手相の勉強をしている」と声をかけられ、近くのビデオセンター(統一協会の施設)に連れて行かれた。統一協会との説明はなかった。

・信者に連れられて公証役場へ行き「献金したお金は自分の意思で渡したものです」という内容の書面を作成させられた。

・母が信者。住んでいた家と土地を担保に借り入れて献金した。返済できなくなったため、家と土地を売って返済したが、売却代金の残額も献金した。

・両親が集団結婚し、自分は2世。両親は共働きだったが、子どもの頃から非常に貧しい生活を送ってきた。


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