2022年11月24日(木)
救済法案 範囲狭い
統一協会2世 再検討求める
統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者2世らが23日、東京都内で記者会見を開き、政府が示した被害者救済新法の概要では救済されない人が多くなるとして、被害者の声を聞いて再検討するよう強く求めました。
政府案では、信者の子どもや配偶者に生じた被害に対して、取り戻せる範囲が養育費などに限られています。寄付をした本人が「無資力」状態であることが条件で、親から独立した子どもは救済の対象に含まれていません。
信者2世の山本サエコさん(仮名)は被害者有志の提言として、▽政府案のままでは被害者が救済されない▽救済範囲が限られており、統一協会救済法になってしまう▽被害者の声を聞いて再検討してほしい―の3点を説明しました。
会見の出席者は「毎月の収入が25万円ほどで、貯金も約50万円しかない両親が統一協会に5年間で500万円を超える献金をしている。高額な献金被害で、介護が必要になったときに生活が破たんするおそれがある」と被害実態を紹介。協会に返金を求めるよう勧めると、マインドコントロールされている親は自死をほのめかして抵抗するといい、「2世が協会に返還要求できる実効性のある新法案を強く望む」と強調しました。
オンラインで出席した別の信者2世は、当初は「地獄に落ちる」と恐怖をあおられ献金していた信者は、信仰心が深くなるほど「義務感や使命感」で達成感を感じて献金するようになると説明。政府案では救済の間口が狭まることから、「統一協会の逃げ道をふさぐような対策ができる法案を」と求めました。