2022年11月23日(水)
統一協会被害者救済新法
対象限定的 政府案に問題
小池氏会見 共産党が考え方提示
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日本共産党の小池晃書記局長は22日、国会内で記者会見し、政府が提示した統一協会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済のための新法の概要について、日本共産党の考え方(全文)を示しました。現状では統一協会による被害救済を図る上で大きな問題があるとして、5点にわたって提起しました。
小池氏は、政府案の最大の問題点として、寄付の勧誘行為の禁止対象が限定されていることを指摘しました。
政府案では「寄付をすることが必要不可欠であることを告げること」により「個人を困惑」させることを要件としています。しかし、マインドコントロール下にある人に寄付を求める場合は、その都度「必要不可欠であることを告げる」わけではなく「困惑させる」ことが多いわけでもありません。
小池氏は「この要件にしてしまうと統一協会の被害救済を図る上で大きな問題がある」と指摘。マインドコントロール下にある場合の献金を禁止するためには、「正常な(合理的に)判断ができない状態であることに乗じた」勧誘を禁止するなどとすべきではないかと提案しました。「政府案ではほとんど統一協会の被害を救済できないのではないかという根本的な問題として指摘したい」と述べました。
そのほか、借り入れや住居などの処分による資金調達の要求の禁止に関し、自ら進んで行った寄付が対象にならないのではと指摘。住居以外の資産や生命保険の解約なども禁止対象に含むべきだと提起しました。
また、寄付の取り消しの時効については、寄付したときから10年とする規定は短すぎるとして20年とするよう提起しました。
子どもや配偶者に生じた被害の救済では、被害を取り戻せる範囲が養育費などに限られ、金額が少なすぎると指摘。寄付した本人が「無資力」状態にあることが条件になっていることなど問題点が多いとして、再検討を求めました。
また、統一協会が献金をさせる際に、書面を交付することなどがほとんどなく、被害の全体把握が困難だとして、受領を示す記録の作成と開示の義務規定を設けることも提案しました。
小池氏は「統一協会の被害者救済は党派を超えて前に進める課題だ。政府・与党にはこういう問題点を解決して前に進めることを求めたい」と語りました。
党の考え方は同日、自民党幹事長室に届けました。新法の概要については、18日の6党書記局長・幹事長会談で、自民党の茂木敏充幹事長が各党からの意見を求めていました。