2022年10月29日(土)
信者の2世に支援を
日本脱カルト協会が各省庁要請
虐待、思想強制に苦しむ
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統一協会(世界平和統一家庭連合)などカルト団体の問題に取り組む「日本脱カルト協会」は28日、社会常識に反した宗教等の教義により人権侵害を受けた人や脱会した元信者を公的支援から取り残さないための措置を各省庁に求めました。
脱カルト協会は各省庁に提出した要請書で、宗教等の信者の子どもである「2世」が親の虐待やネグレクト、思想の強制で心身ともに苦しむケースがあると指摘。学校や児童相談所が2世の問題に対応する環境をつくるため、専門家による研修の実施などを求めています。
また、韓国など海外に居住させられている統一協会の信者と2世の状況を把握し、救済に取り組むことも必要だと訴えています。
同日は厚生労働省と文部科学省、外務省の担当者と面談し、要請した内容に関する説明を受けました。
面談後の記者会見で西田公昭代表理事(立正大学教授)は「これまでの虐待の概念で対応できる事例もあるが、親から宗教等の活動や信仰を強制されるなどの問題は従来の虐待概念に含まれていない」と強調。「スクールカウンセラーなどの資格を持つ人に向け、宗教やカルトの問題に関する教育課程を作るべきではないか」と述べました。
統一協会などのカルト団体を脱会した元信者も会見に同席。家庭で宗教団体の信仰を強制されて育ったという男性(30代)は親から、むちやガスホースで体を打たれるなどの虐待も受けたとして「社会的に問題がある団体の考えによって子どもの人権が侵害される状況がある。対策の議論を進めてほしい」と語りました。