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2022年10月25日(火)

主張

山際再生相の辞任

岸田首相の任命責任は重大だ

 反社会的カルト集団・統一協会との深い癒着が次々発覚し、厳しい批判を浴びてきた山際大志郎経済再生担当相がようやく辞任しました。統一協会との新たな接点が発覚するたびに国会などで追及されると、「記憶にない」などと開き直ってきましたが、言い逃れは通用しなくなりました。

 岸田文雄首相も山際氏が辞任表明する直前まで続投させる意向を国会で表明していました。山際氏の辞意は遅すぎますし、問題発覚からいままで山際氏の罷免を拒んできた岸田首相の任命責任は重大です。山際氏の辞任だけでは済まされません。

言い逃れ通用しなくなり

 岸田首相は8月の内閣改造で山際氏を、経済政策やコロナ対応を担当する経済再生担当相に留任させました。山際氏は留任が固まるまで統一協会との関係を隠し続け、再任が決まってから、統一協会の関連団体の会合出席を初めて明らかにしました。

 その後もメディアなどで新たな関係が次から次へと判明します。国内での会合だけでなく、ネパールやナイジェリアなどでの会合にも出席を繰り返していたにもかかわらず、「資料がない」「確認できない」などとごまかしを続け、動かぬ証拠が出てくると渋々認めるという不誠実な対応に終始し、「後出しじゃんけん」などと批判されました。

 山際氏は、統一協会トップの韓鶴子総裁と2018年に面会していました。山際氏は会った事実をなかなか認めず、写真を見せられて「お会いしたことがあるという記憶と合致していますから、その通り」などと苦し紛れの説明しかできませんでした。

 先週末には、韓総裁の隣で一緒に写っている19年の写真の存在が明らかになりましたが、名古屋出張の際に誘われて集合写真を撮影したのではないかなどと、関係のごまかしに躍起になるばかりです。統一協会の「広告塔」となって、深刻な被害を広げたことに全く反省のない山際氏に閣僚の資格がなかったことは明らかです。

 「毎日」24日付の世論調査では山際氏の閣僚辞任を求める声は71%に達するなど国民の怒りは高まる一方でした。山際氏の辞任は、世論と野党の追及に追い込まれた結果です。

 山際氏の罷免を要求してきた野党の国会質問に対して岸田首相は「自らの責任で丁寧に説明を尽くす」などと擁護してきました。山際氏を閣僚に任命しただけでなく、居座りを許してきた岸田首相の責任は免れません。山際氏の癒着の実態を全て明らかにし、首相として国会で説明を尽くし、自らの責任を明らかにしなければなりません。

首相の責任で徹底調査を

 統一協会と接点を持つのは閣僚ら政務三役の4割に及んでいます。自民党の萩生田光一政調会長と統一協会との密接な関係も解明がされていません。それぞれの国会議員任せの「自主申告」では済まされません。政府としても自民党としても責任を持った調査を行うべきです。統一協会が自民党議員に示した「推薦確認書」などもあいまいにできません。最も関係が深かった安倍晋三元首相や細田博之衆院議長の調査は不可欠です。長年の癒着を洗いざらい明らかにするのが岸田首相の責任です。


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