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2022年10月20日(木)

主張

統一協会と自民党

癒着関係にフタは許されない

 統一協会と自民党との根深い癒着を徹底的に明らかにすることが、今国会の重要な課題です。ところが岸田文雄首相には、多くの自民候補者が選挙で支援を受けたことや、安倍晋三元首相らが長年関係を築いてきた問題などにメスを入れる姿勢がありません。それどころか統一協会とただならぬ関係が判明している山際大志郎経済再生担当相を擁護するなど反省がありません。解明が強く求められる癒着にフタをしたまま、「未来に向けて関係を断つことが重要」(岸田首相)と強調しても国民は到底納得できません。

首相の卑劣な論点そらし

 岸田首相は今週、宗教法人法に基づいて統一協会に「質問権」を行使することを指示しました。統一協会の被害拡大防止を求める世論に押されたものですが、被害者や被害救済に取り組む弁護士らが強く求めている裁判所への解散命令請求には依然消極的です。「質問権」行使では手続きに時間がかかるため、その間に被害が広がるおそれも指摘されています。

 統一協会をめぐっては、正体を隠した伝道活動、霊感商法や高額献金など数々の反社会的活動が「不法行為」と司法に断罪されています。岸田政権がやるべきは、速やかな解散命令の請求です。

 許し難いのは、岸田首相が統一協会と自民党の関係の解明に背を向け続けていることです。日本共産党の宮本徹衆院議員は18日の予算委員会で、安倍元首相らが参院選比例区で統一協会の票を差配していたとの関係者の証言などを示し、自民党の組織的な関与について首相の認識をただしました。また、文化庁が、それまでの姿勢を一変させて2015年に統一協会の「名称変更」を認めた経過を明らかにすることを要求しました。

 首相は、選挙での票の差配については「(統一協会との関係は)個々の議員によって異なる」などとごまかし、「名称変更」の経過も問題がなかったと正当化し、調査を拒みました。自民党と統一協会との深刻な癒着の隠ぺいを図ろうとする意図があらわです。

 首相が「これまで」の自民党と統一協会の癒着関係には口を閉ざす一方、今後の被害拡大を防ぐ対策について力説するなど、「これから」のことばかりに目を向けさせようとすることは、卑劣な論点そらしに他なりません。

 「関係を断つ」と言うなら、自民党と統一協会の関係を洗いざらい調べ、国民の前に全て明らかにすべきです。自民党議員の調査では本人任せの自己申告で済ませるのでなく党として責任を持った調査が必要です。政府として閣僚や副大臣ら政務三役の調査も行わなくてはなりません。安倍元首相について故人を理由に「限界がある」などと調査を放棄することは絶対に許されません。

山際経済再生相の罷免を

 メディアからの報道で関係が指摘されるたびに、従来の説明の訂正を繰り返す山際経済再生担当相の閣僚としての資格が厳しく問われています。

 衆参予算委員会の質疑で山際氏は都合が悪くなると「記憶がない」などと無責任な答弁を続けるだけでなく、「これから、何か新しい事実がさまざま出てくる可能性がある」と開き直りました。同氏の罷免に応じない岸田首相の責任は極めて重大です。


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