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2022年10月19日(水)

「統一協会は若者の将来を奪う集団」

息子を救った母は「解散命令当然だ」

大阪府の女性が宮本・辰巳両氏に

 「息子の統一協会の洗脳を解くためマンションを借りて4カ月閉じこもりました。自宅を離れ、家族は全員休職。でも、息子が助かるなら仕事がなくなっても家がどうなってもかまわないと思ってやりぬきました」―。大阪府の70代女性が、統一協会から息子を脱会させた経験を日本共産党の宮本岳志衆院議員と辰巳孝太郎元参院議員に次のように切々と語りました。(速水大地)


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(写真)(左から)宮本、辰巳の両氏に語る女性=大阪府

 息子は学生時代、学生名簿を知りつくす大学事務局員による勧誘で統一協会に入会しました。1990年代半ば、北陸の大学で息子は下宿生でした。彼らは素性を隠し、姓名判断で近づきました。

 マインドコントロールの方法は「報連相」といって、息子に「上司」を1人つけ、何でも報告・連絡・相談しなければならないルールを作る。徐々に「自分で判断すると間違う」と思わせるのです。息子は統一協会の寮に移り、協会系企業「一心天助」で魚商バイトし、学内に「原理研究会」をつくる役割を担わされたようです。

キリスト教会に

 救出は、その方法を学ぶため、統一協会とたたかうキリスト教会に私たち家族が毎週通うことから始めました。相談会で、元信者や家族から最初に聞いたのは「決して否定してはいけない」でした。

 すぐにでも救出したかったですが、家族の気持ちがそろうまでは実行できず、準備に8カ月かかりました。キリスト教会からゴーサインが出ると、指導の下、近県の田舎の田んぼに囲まれたマンションの3階、2LDKの部屋を借りました。

 12月のある日、私の父の法要を計画して息子を帰省させ、車でマンションに移動。そこで家族みんなで統一協会について学びたいと伝えました。「報連相」できぬよう電話をなくし、息子と私、夫、娘、私の母で部屋から一歩も出ない生活が始まりました。

 2日に1回牧師が来て統一協会の聖典『原理講論』とキリスト教聖書の違いを比べながら学習。息子は学ぶ気がなく、逃げようと暴れて壁に穴が開き、わざとケガや病気をする。「反牧(統一協会に反対する牧師)対策」を受け、脱会させられることを恐れていたのです。管理人からは出ていってくれと迫られました。

世間から見た本

 そんな状況が続き、脱会は無理なのかと落ち込みもしましたが、3カ月ほど過ぎた時、私たちの学習に耳をそばだてていた息子が「世間から見た統一協会の本はないか」と言い、届いた本をむさぼるように読み出しました。徐々に自分の頭で考えることができてきたのでしょう。息子は脱会を決意。久しぶりの外。桜が本当にきれいでした。その後、キリスト教会内で8カ月のリハビリ生活を送り、院進学は諦めましたが無事、大学を卒業。キリスト教会の助けと家族全員の力です。

 人権を無視したように見える方法に思い悩みましたが、後に息子から「あれしか逃れる方法がなかった」という言葉を聞き、私は何とか自分を納得させています。

 当時、最も驚いたのは「統一協会が国会議員の秘書に会員を送り込んでいる」と聞いたことです。そして今、報道で統一協会と自民党や維新との関係がここまで深いことに驚いています。彼らは若者を利用し将来を奪う詐欺集団。解散命令はもちろん、疑惑を明らかにしてほしいです。


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