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2022年10月9日(日)

主張

細田氏と統一協会

これでは説明になっていない

 細田博之衆院議長が7日、統一協会・関連団体と自らとの関係について再調査した結果とする文書を公表しました。2枚の簡単な文書を議長公邸で衆院議院運営委員会の委員長と与野党筆頭理事に手渡し、本人は公の場で説明していません。まったく責任を果たしていません。9月29日に公表した前回文書はたった1枚でした。今回も不十分なものですが、細田氏が反社会的カルト集団の統一協会と抜き差しならない関係にあったことが明白です。「国権の最高機関」の長として責任は重大です。議運委で直接説明すべきです。

ずさんで支離滅裂な文書

 出席した会合などを箇条書きにしただけの両文書から浮かぶのは調査のずさんさです。関連団体会合への出席は4回から8回に増えました。前回明らかにしていなかった会合の名称、場所がようやく記載され、月までしか書いていなかった開催日も示されました。

 世界日報社からインタビューを受けた月、顧問を務めていた「日韓トンネル研究会」の名称は間違いだったとして訂正されました。

 わずか8日の間にこれほどの訂正、追加をしなければならないほど、おざなりな調査です。しかも「引き続き、さらに精査を続けている」として統一協会との接点がこれにとどまらないことを示唆しています。

 文書には細田氏がどのような認識で統一協会と関係を持ったかが書かれていません。

 統一協会は、正体を隠した「伝道」活動、霊感商法や高額献金、当事者の意思を無視した集団結婚など数々の反社会的行為を行い、いずれに対しても違法との判決が確定しています。細田氏がそのことをどう考えていたのかが問われます。「今後、社会的に問題があると指摘される団体等とは関係をもたないよう、適切に対処してまいりたい」との釈明で済ませることは通用しません。

 細田氏は、統一協会の「関係団体」が選挙で同氏を支持する意向を持っていたことを「事実」と認めながら、具体的にどのような支援を受けたかは「確認できない」としています。確認できないのに「組織的支援や動員等を受け入れたことはない」と否定するなど支離滅裂です。

 伊達忠一元参院議長は日本テレビの取材に対して、統一協会の票について細田氏と話したことがあると答えています。同協会が国政選挙で自民党そのものを支えていたことを示す疑惑です。2019年10月5日、統一協会関連団体で細田氏は会合の内容を安倍晋三首相に「早速報告したい」と述べましたが、文書はこのことにいっさい触れていません。

衆院議長の資格問われる

 細田氏は14~21年、自民党の派閥「清和政策研究会」の会長でした。同会は統一協会と強い関係を築いた岸信介元首相の流れをくみ、安倍氏も会長を務めました。

 安倍氏が統一協会の会員票を差配していたとの証言もあります。統一協会と自民党の関係の中心にいたはずの両氏の役割を明らかにすることは癒着の全容究明に欠かせません。

 解明しなければならない点は増える一方です。国会で一問一答の質問に答えることは「三権の長」と言われる衆院議長として最低限の責務です。それすら拒むのであれば議長の資格はありません。


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