しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年10月4日(火)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が3日の臨時国会開会にあたって開かれた党国会議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=3日、衆院第2議員会館

 衆参の国会議員団のみなさん、事務局のみなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。みなさんの連日のご奮闘に対して、心からの敬意を申し上げます。

 臨時国会の開会にあたりまして、ごあいさつ申し上げます。

政治の潮目が大きく変わる中での国会――徹底追及と建設的提案で値打ち輝く国会に

 この国会は、一方で、岸田自公政権があらゆる分野で行き詰まりと危機に陥り、他方で、この政治を変えようという市民的・国民的運動の新たなうねりがわき起こり、政治の潮目が大きく変わる中での国会となりました。

 みなさん。こうしたもと、国民運動と連帯して、岸田政権の問題点を徹底的に追及する論戦を展開しようではありませんか。

 同時に、国民の願いにこたえた建設的提案を大いに行い、政治を前に動かすために力を尽くそうではありませんか。

 日本共産党国会議員団の値打ちが輝く国会にしていくために大奮闘する決意を、国会開会にあたってみんなで固めあおうではありませんか。(拍手)

「国葬」強行でメッキ剥がれた――憲法と民主主義を守る論陣を

 私は、まず、岸田首相が、国民の6割の反対の声を一顧だにせず、安倍元首相の「国葬」を強行したことに対して、みなさんとともに強い抗議の声を突き付けたいと思います。

 強行されたからといって、「国葬」が、憲法14条が保障した「法の下の平等」、憲法19条が保障した「思想及び良心の自由」などに反する憲法違反の暴挙であることは、絶対にあいまいにするわけにはいきません(「そうだ」の声)。国会の場で徹底的に追及していきます。(拍手)

 私は、「国葬」強行によって、岸田首相がまとっていたメッキ――「聞く力」だの「丁寧に説明する」だのといったメッキは完全に剥がれ落ちたと思います。この政権が、民意を無視し、憲法を無視した強権政治という点で、戦後最悪の安倍政権と何ら変わることがない政権だということがすっかり明らかになったのではないでしょうか。

 この国を、一片の「閣議決定」で憲法をないがしろにすることが当たり前のように横行する国にしてはなりません。この立場で、憲法と民主主義を守るわが党ならではの論陣を大いに張っていこうではありませんか。(拍手)

自民党と統一協会の癒着の徹底究明を――首相対応の「三つの致命的問題点」をただす

 政府・自民党と統一協会との癒着問題の徹底究明は、この国会の大きな焦点であります。

 この問題の闇は深い。文字通りの徹底究明が必要です。

 その出発点として、私は、岸田首相の対応として、次の三つの致命的な問題点があるということを厳しく指摘したいと思います。

反社会的団体という認識なし

 第一は、そもそも岸田首相は、統一協会が反社会的団体であるという認識を一切のべていないということです。

 統一協会は、正体を隠した「伝道」活動、不安や恐怖をあおっての霊感商法や多額献金、当事者の意思を無視した集団結婚など、数々の反社会的行動を行い、そのいずれに対しても違法との判決が確定している団体であります。

 にもかかわらず岸田首相は、「社会的に問題が指摘される団体」というだけで、自らの認識として統一協会が反社会的団体だとのべることを一貫して回避してきました。まずこの点を追及していこうではありませんか。

「広告塔」として被害を拡大したことへの反省なし

 第二に、岸田首相は、自民党の多くの政治家が、統一協会の「広告塔」として利用され、被害を拡大してきたことに対する反省を一切語っていないということです。

 岸田首相は、8月31日の会見で「おわび」を口にしましたが、それは「国民の皆様から懸念や疑念の声をいただいた」ことへの「おわび」にすぎず、統一協会による被害を拡大したことへの反省は、一切語ろうとしません。真剣な反省がなければ、過ちを繰り返すことになることは避けられないではありませんか。この点も厳しく追及していこうではありませんか。

「関係断つ」というが自ら責任をもった調査せず

 第三に、岸田首相は、統一協会との「関係を断つ」と約束しましたが、この約束には行動が伴っていないということであります。

 政府も自民党も、個々の議員まかせの対応に終始し、自ら責任をもって調査をしようとしません。名称変更など行政がゆがめられた深刻な疑惑を放置しています。安倍(晋三)元首相の調査について、「限界がある」と背を向けています。統一協会と最も深刻な癒着関係にあった安倍氏の調査を拒否して、どうして「関係を断つ」ことができるでしょうか。「関係を断つ」というのなら、過去にさかのぼって、統一協会との癒着の全貌を自らの責任において明らかにすべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

半世紀にわたり対決してきた党としてうみを出し切るまで奮闘しよう

 みなさん。統一協会=「勝共連合」の反社会的策動、反共と反動の策動と、半世紀にわたって正面から対決してきた党として、この問題のうみを出し切るまで、先頭に立って奮闘しようではありませんか。(拍手)

物価高騰から暮らしと営業守る政治の責任が問われる国会に

 物価高騰が深刻です。この国会は、物価高騰から暮らしと営業を守る政治の責任が問われる国会になります。

岸田政権の経済政策は全面的破綻に陥っている

 この問題でも岸田政権の行き詰まりと危機は深刻であります。

 物価高騰の最大の原因となっている異常円安を招いた「異次元の金融緩和」の政策をやめるにやめられず、金融政策は完全に手詰まりに陥っています。

 なぜ手詰まりに陥ったか。それは、日本が「賃金の上がらない国」から抜け出せない、ここにその最大の原因があります。ところが岸田政権は、実効ある賃上げ政策を何一つ打ち出せないではありませんか。

 この政権の経済政策は全面的破綻に陥っています。

家計と中小企業を応援して、暮らしと経済をたてなおす抜本的対案を掲げて

 みなさん。こうしたもと、日本経済の半分以上を占める家計消費、日本の事業所の圧倒的多数を占める中小企業をしっかり応援して、暮らしと経済を立て直す抜本的対案を掲げて奮闘しようではありませんか。

 中小企業の賃上げへの直接支援の抜本的強化など実効ある賃上げ政策、消費税の5%への緊急減税、高齢者への医療費負担増の撤回、新型コロナから命を守るための医療供給体制の抜本強化など、緊急の提案を掲げ、その実行を迫る論戦を大いに展開しようではありませんか。(拍手)

大軍拡と憲法9条改定を許さないたたかいは重大な正念場

「敵基地攻撃能力保有」に向けた暴走が始まっている

 大軍拡と憲法9条改定を許さないたたかいも重大な正念場を迎えます。

 「敵基地攻撃能力保有」に向けた暴走が始まっています。

 防衛省の来年度予算の概算要求は、「敵基地攻撃予算」といっていいほど、「スタンド・オフ・ミサイル」(敵の対艦・対空ミサイルの射程外から攻撃できる射程の長いミサイル)など、「敵基地攻撃」のための武器購入計画がずらりと並んでいます。

 この問題での深刻な危険は、安保法制=集団的自衛権の発動と一体に「敵基地攻撃」を行う可能性を、政府が公然と認めていることにあります。すなわち、日本がどこからも攻撃されていないのに、米国が世界のどこかで戦争を始めたら、自衛隊が米軍と一体になって「敵基地攻撃能力」を使って相手国に攻め込む。その結果は、相手国からの甚大な報復攻撃であります。

大軍拡を止め、9条を生かした外交で東アジアの平和創出を

 みなさん。日本国民の命を危険にさらし、暮らしを押しつぶす大軍拡、憲法9条改定を断固止めるために、頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

 9条を生かした外交で東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を実現するために、内外で力をつくそうではありませんか。

 そして、沖縄県知事選挙の歴史的勝利を力に、辺野古新基地建設中止、普天間基地の閉鎖・撤去のために、沖縄と連帯したたたかいをさらに発展させる国会にしようではありませんか。(拍手)

党の歴史と綱領を学び、生かし、広げる、新しい質の党勢拡大運動を成功させよう

 最後にみなさん。全党はいま、「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」の成功のために全力をあげています。

 9月の結果は、党員、「しんぶん赤旗」読者とも、前進まではいたりませんでしたが、党創立100周年記念講演を生かし、党の歴史と綱領の全体を学び、生かし、広げる、新しい質の党勢拡大運動が始まっていることは大変に重要だと思います。私は、この運動が成功をおさめるならば、質量ともに強い党をつくる大展望が開かれてくると確信をもっていいたいと思います。

 国会議員団が「特別期間」成功の先頭に立つとともに、「特別期間」の成功に貢献する国会活動を展開することを呼びかけまして、私もみなさんと心一つに頑張りぬくことをお誓いしまして、ごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


pageup