2022年9月30日(金)
徹底追及 統一協会
高額献金 モラル違反
“今も韓国へ送金のはず”
元幹部の手記入手
統一協会(世界平和統一家庭連合)日本本部の元幹部が、高額な献金を信者から集める協会の手法について、「社会的モラルに反する」などと問題点を批判した手記を、本紙は29日までに入手しました。(統一協会取材班)
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手記は統一協会日本本部の元家庭教育局副局長の櫻井正上(まさうえ)氏が作成し、一部の大手メディアなどに送っていたもの。櫻井氏は1998年から約20年間、協会本部に勤務。協会運営に異論を唱えたため2017年に解任されました。櫻井氏の父親は1995~96年に協会会長を務めました。
手記は日本の協会が「世界の活動資金の負担を強いられてきたのは事実」だと指摘。資金集めのため信者の家庭が「尋常でない困難を経験してきた」と述べています。
親が協会活動に明け暮れたため、経済的に苦労した信者2世たちがいることにも言及。▽家計が苦しく大学進学を断念し、きょうだいたちの進学資金のために働く▽献金要請が強まると親が子どもの教育費や学資保険を解約して献金した▽2世自身が親の借金を肩代わりした―などの実例を紹介しています。
過度な圧力
統一協会の田中富広会長は8月10日の会見で、信者に献金のノルマを課したことがないと述べました。これについて櫻井氏は、「本部が全国の『現場教会』に無理なノルマを課していたことは、内部の人間なら、誰もが知る事実でした」と批判。協会が信者に対し献金を「しなければならない」という“空気”をつくり出し、過度なプレッシャーを与えてきたとしています。これらの手法について櫻井氏は「明らかに、社会的モラルに反するものでした」と断言しています。
櫻井氏が副局長の時に献金問題について上層部に意見をすると、「あなたはあなたの使命に殉ぜよ」と相手にされなかったといいます。
指示は絶対
また「今でも、日本から莫大(ばくだい)な献金が世界(韓国)に送られているはずです」と証言。本紙の取材では、日本で月約20億円近くを集め、うち約3割が韓国の協会本部に送金されたとみられます。
日本の統一協会は韓国にある「世界本部の、特に教団トップから下りてくる指示には応じる他ありません」と韓鶴子総裁らの指示が“絶対”になっているという実情も明かしています。
櫻井氏は手記の事実関係についての本紙の質問に、「日本共産党とは主義・主張が異なるため、コメントは控えさせてください」としています。