2022年9月19日(月)
統一協会被害 09年以降も計8億円
「法令順守徹底」主張後
統一協会(世界平和統一家庭連合)が「コンプライアンス(法令順守)を徹底した」と主張している2009年の後も被害が続いており、相談があっただけで少なくとも16年までに64件、金額で計7億9150万円に上ることが、全国霊感商法対策弁護士連絡会の集計でわかりました。(統一協会取材班)
同会が16日に都内で開いた全国集会で明らかにしました。
それによると、09年以降に被害があったケースの被害者の入信時期は1976年から16年。09年以降に入信したケースも12件ありました。最も額が大きかったのは90年に入信した女性で、09年以降だけで1億240万円を支払っていました。09年以降に入信した被害者も、12万~1630万円を支払っています。
統一協会の霊感商法をめぐっては09年、社長以下全従業員が信者の印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)を警視庁が捜索し、東京地裁が社長に特定商取引法違反の罪で懲役2年、罰金300万円、執行猶予4年を言い渡しました。法人としての新世も罰金800万円とし、判決は確定しました。
これを受けて統一協会はコンプライアンスを宣言。田中富広会長は今年8月の会見で「09年以降、当法人は社会的法的に問題と指摘される行為をしないようコンプライアンスの徹底に努めている」と主張していました。
統一協会は勧誘・伝道の際、宗教団体であることを伏せて教義を教え込むため「正体隠しの伝道」として批判を受けてきました。これについても田中会長は会見で「09年以降、当初から協会名を名乗るよう指導を徹底してきた」と強調しました。
しかし全国弁連の調査によると、09年以降の「入信契機」には「正体を隠し自宅訪問」「正体を隠したアンケート」などが多数あります。全国弁連の川井康雄事務局長は「統一協会の説明が虚偽なのは明らかだ」と語りました。