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2022年9月10日(土)

主張

自民党と統一協会

癒着の解明幕引き許されない

 自民党は、所属国会議員379人のうち179人に統一協会と接点があったとする点検結果の概要を公表しました。衆参の国会議員の半数近くが関係を持っていたことは、統一協会が同党内に広く浸透していた事実を浮き彫りにしています。「党として一切の組織的関わりはない」(茂木敏充幹事長)との主張は成り立ちません。一方で、公表内容は議員本人からの申告を集計したもので、党として責任を持った調査ではありません。最も深く癒着していた安倍晋三元首相は対象外であり、全容の解明には程遠いものです。これで幕引きにすることは許されません。

現職閣僚や党幹部も次々

 関連団体の会合出席などの関係を認めた121人については氏名を公表しました。萩生田光一政調会長は会合出席だけでなく、選挙でのボランティア支援などもありました。山際大志郎経済再生担当相は会合で講演し、加藤勝信厚生労働相と寺田稔総務相は協会側に会費類を支出していました。安倍氏の実弟・岸信夫首相補佐官(前防衛相)の選挙でのボランティア支援をはじめ、複数の首相補佐官、官房副長官も接点を認めました。党要職経験者の多くも関係が確認されました。

 しかし、祝電送付だけなどの58人の氏名は明らかにしませんでした。秘書の派遣などはそもそも点検項目にありません。関連団体の会合に出席しあいさつした細田博之衆院議長は党派離脱中として対象に含めませんでした。国民に進んで説明責任を果たすという立場が根本的に欠けています。

 茂木幹事長は結果公表の記者会見で、会合に出席した議員の9割近くから、統一協会の関連団体とは知らなかったと報告があったと強調しました。関連団体と知っていた議員も社会的に問題になっているとの認識がなかったと回答しているとも語りました。

 この申告自体、にわかに信じがたいものですが、それを額面通りに受け取り、それ以上たださない自民党執行部の姿勢も重大です。接点の有無という外形的な事実だけでなく、なぜそういう関係が生まれたのかという点まで掘り下げた調査をしなければ、「今後は一切関係を持たないことを党内に徹底する」と主張しても実効性は伴いません。

 自民党と統一協会=国際勝共連合との癒着は半世紀にわたる歴史があります。日本に勝共連合を引き込んで政治的に利用し、関係を強めたのは岸信介元首相らです。安倍氏はその流れを中心になって受け継ぎ、関連団体の集会への祝電やビデオメッセージを送ることで広告塔の役割を果たしました。さらに参院選では自民党候補者に統一協会の組織票を手配するなどの司令塔にもなってきました。安倍氏の関係調査について、故人であることを理由に「確認には限界」(岸田文雄首相)と拒むことは、責任放棄という他ありません。

党として責任持つ調査を

 安倍氏の国葬は憲法違反であるだけでなく、統一協会と政治との関係を深め、反社会的カルト集団の被害を拡大させた安倍氏の行為を国が是認することになります。

 岸田首相がやるべきことは国葬でなく、統一協会との癒着を地方議員を含めて党が責任を持って徹底的に調査し、全てを国民に明らかにすることです。


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