2022年9月10日(土)
自民と統一協会 組織的関与は明白
党として責任ある調査を
安倍氏との関係 解明必要
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「(統一協会と)党としての関係はない」―。自民党の茂木敏充幹事長は8日、同党の所属国会議員379人中179人が統一協会と関係を持っていた「点検」結果を発表した記者会見でこう語りました。
茂木氏は、組織的なつながりは一切ないと強調しますが、接点のあった議員は同党の47・2%と約5割を占めます。日本共産党の小池晃書記局長は同日、沖縄県名護市内での遊説で「半数近い179人も接点を持っていて組織的なつながりがないというのは笑止千万だ」と批判しました。
「点検」リスト 閣僚らの名も
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自民党が発表した「点検」結果のリストには岸田政権の閣僚らの名前もあがり、党幹部にも統一協会との密接な関与の広がりがわかりました。氏名が公表されたのは寺田稔総務相、加藤勝信厚生労働相、山際大志郎経済再生担当相の3人。党三役では萩生田光一政調会長が4項目で名前が明記され密接な関係が浮き彫りに。それに加え、首相補佐官では選挙支援を受けていた岸信夫前防衛相のほか、村井英樹、森雅子両氏も公表されました。
安倍晋三政権下で統一協会が名称変更を申請した際に便宜を図ったことが疑われている下村博文元文部科学相や、石破茂元防衛相、甘利明元幹事長など閣僚、党三役経験者の名前もリストに記載されました。
今回の点検では、安倍元首相が領袖(りょうしゅう)を務めていた清和会に所属する議員は、氏名を公表された121人のうち31人(25・6%)と4分の1にのぼります。統一協会と深く癒着し、お墨付きを与え、後ろ盾になってきた安倍氏との関わりを調査しなければ、統一協会との関与を解明したとは言えません。安倍氏には統一協会の組織票を差配していた疑惑もあります。
安倍派の元会長で三権の長の細田博之衆院議長は統一協会の関連団体の会合であいさつしただけでなく、関係団体の名誉会長も務めています。この細田氏も点検の対象外にしています。これでは、調査の名に値しないことは明らかです。
茂木氏は会見で点検結果について「議員本人や事務所の点検結果を報告してもらい、それを集約した」と説明。党が主体的に行った調査ではないことを認めました。日本共産党の志位和夫委員長は8日の会見で「表面的・外形的な接点だけでなく、なぜそういう癒着が生まれたのか、なぜそういう癒着になっているのか、そこまで掘り下げてきちんと調査する必要がある。個人の議員任せでなく、党として責任を持って調査して発表することが必要だ」と強調しました。