2022年8月18日(木)
霊感商法 被害者語る
癒着の自民党政治変えて
宮本氏と辰巳氏に
「統一協会に家族も人生も壊された。この十数年、内心はずっと怒りで満ちています」―。被害総額は15年余りで2億円に迫ります。統一協会(世界平和統一家庭連合)の霊感商法の被害にあった大阪府の家族が日本共産党の宮本岳志衆院議員(同問題追及チーム)、辰巳孝太郎元参院議員に実態を語りました。
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被害を語ったのは府内に住む90代女性Aさんと50代息子。統一協会がAさんに近づいたのは15年ほど前。自宅前を通りがかった娘ほどの年齢の女性が、庭の植物をほめたり世間話をしたり。そのうち何度も家を訪れるようになりました。親しくなったところで「手相を見てあげる」といい「教会」へと誘います。Aさんの自宅は郊外の大きな新築一戸建て。家に資産があることは一目でわかりました。
人生破壊され
「教会」は駅前のビル中のカフェのような場所。Aさんと同じような近所の女性たちが訪れ、お茶とお菓子を前に、個人や家庭の悩みを相談していました。「統一協会」の表記はなく、まったく別の名称。「親」と呼ばれるAさんの担当者が、他の家族の留守を狙って家を訪れ、断れぬAさんを毎週のように車で「教会」に連れていき、やがて統一協会であることを明かし、入会や数十万~数百万円の商品の購入を迫ります。
つぼ、宝石、本部や日韓トンネルの建設費用、先祖解怨、韓国訪問勉強会など。断っても、ウンというまで帰してもらえず、どこで調べたのか、Aさんも知らない家系図を出され「先祖の怨念を解く」「今じゃないとサタンが入る」と、銀行が閉まる前に無理やり連れていかれました。「教会」には、解約手続きをする保険会社勤めの会員もいました。
夫の死後、遺産相続時に貯蓄がないことが明らかになり、家族間で裁判に。上の子どもとは修復不可能の絶縁状態になりました。家の売却が決まった後も、協会の人間が家に1週間通い詰め、Aさんの前で机を強くたたき、最後の保険も解約させられました。強引なやり口、家族にも言うなと脅され続け、長年一人で悩み苦しみました。
Aさんの息子は「私は同性愛者で、生まれつき障害もあります。協会はそれも先祖の怨念だといって母から金を奪いました。あまりに卑劣で絶対に許せません」と語ります。母を守るために自身も「教会」に行った時、ビデオや会合の最後に「同性婚反対」と万歳が起きる光景を何度も見てきました。
「安倍さんが」
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個人ではどうしようもない巨大な相手に、協会と縁を断ち切った後も、本人も家族もやり場のない怒りに心身をむしばまれ、社会生活を困難にし、疎外感を抱えていた時、安倍晋三元首相の銃撃事件がありました。許されないことですが「被害者の一人として容疑者の気持ち、動機が痛いほどわかります」とAさんの息子はいいます。「教会」で「安倍さんが私たちを後援してくれている」という言葉を何度も見聞き。選挙前の会合では自民党の候補者が来て演説することもあり、特に家庭連合へと国が名称変更を認めた2015年以降は、露骨な自民党・安倍応援団だったと振り返ります。
徹底追及して
今回、日本共産党に連絡をとったのは参院選で辰巳氏が「同性同士で好きになってもいい。なぜ国は同性婚を認めないのか」と訴えていたからだといいます。「今度の岸田改造内閣も協会系議員ばかり。二度と被害を出さぬよう、協会と癒着する自民党政治を変えてほしい」と訴えます。
宮本氏は「共産党は統一協会とずっとたたかってきました。これからも追及の手は緩めません」、辰巳氏は「被害者救済と同時に、真相解明しなければ日本は前に進まない。全力をつくします」と力を込めました。