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2022年8月11日(木)

主張

岸田改造内閣

目先変えて危険な政治推進か

 岸田文雄首相が内閣改造と自民党役員人事を行いました。9月ごろに行う予定を前倒したのは、内閣支持率が急落しているためです。統一協会と自民党の癒着、安倍晋三元首相の国葬、コロナ対応や物価高騰対策などに国民の不信は広がりました。改造人事で目先を変え、国民の批判をかわすことが首相の狙いです。しかし、統一協会との関係を指摘される閣僚らが留任・起用され、疑念は払しょくされません。主要閣僚を続投させ、大軍拡や9条改憲、格差と貧困を広げる経済政策を推進する姿勢もあらわです。国民との矛盾は一層深まります。

関係は断ち切れていない

 党人事では茂木敏充幹事長、麻生太郎副総裁が続投します。内閣では松野博一官房長官、林芳正外相、鈴木俊一財務相らが留任しました。安倍元首相の側近で、最大派閥安倍派の幹部である萩生田光一氏は経済産業相から党政調会長に横滑りしました。萩生田氏は統一協会関連団体のイベントに出席するなどしていました。同氏を党四役という要職にあてたことは重大です。

 統一協会から選挙支援などを受けていた安倍元首相の実弟・岸信夫氏は防衛相から外れたものの、国家安全保障担当首相補佐官として首相を支える立場に就きました。再任された山際大志郎経済再生担当相は統一協会関連団体に会費を払っていました。再入閣の加藤勝信厚生労働相や、初入閣した寺田稔総務相らも同団体側と接点があることを認めました。

 岸田首相は、統一協会との関係の点検・見直しを指示しましたが、関係をきっぱり断ち切るのかどうかが問われます。文化庁が統一協会の名称変更を認めた経過の全面的な公開をふくめ、反社会的カルト集団と政治の癒着の解明を終わりにすることはできません。

 萩生田政調会長は10日の記者会見で、軍事費を5年以内に国内総生産(GDP)比で2%以上を念頭に増大することを速やかに実行に移すと述べました。年末に向け「敵基地攻撃能力」保有への議論も促進させます。

 浜田靖一氏の防衛相就任は、岸首相補佐官とともに、大軍拡を進める布陣です。同党内で“国防族”とされる浜田氏は2015年の国会で、衆院安保法制特別委員長として安保法制=戦争法案の採決を強行した経歴があります。

 安倍元首相と思想的に近い高市早苗・前党政調会長は経済安全保障担当相に任命されました。経済活動と科学技術研究を「国家安全保障」の柱にして軍事と一体で統制する政策などを担います。安倍派の西村康稔・元経済再生担当相が経済産業相として再入閣したのは、「原発の最大限活用」を進めるためと指摘されています。

 安倍元首相の派閥への配慮や、菅義偉前首相や二階俊博元自民党幹事長に近い政治家の起用が目立つのも改造人事の特徴です。

政権追い詰めるたたかい

 岸田首相は「わが国は今、国の内外で戦後最大級の難局に直面している」「これまで明らかにした政策を本格的な実行に移していく」などと主張し、危険な政治を加速する構えです。

 9条改憲と一体の大軍拡、大企業中心の暮らし破壊の政治を許さない国民の世論と運動を広げ、岸田政権と対決する時です。


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