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2022年7月30日(土)

徹底追及 統一協会

15年申請直前 名称変更拒否を要請

下村文科相に弁護士ら

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(写真)2015年3月26日に下村博文文科相に出された全国霊感商法対策弁護士連絡会の申し入れ書(左)と同年6月2日に同文科相に出された旧統一協会の名称変更申請書

 旧統一協会(世界平和統一家庭連合)が名称変更を申請する直前に、霊感商法の被害救済にあたる弁護士グループが、当時の下村博文文部科学相や文化庁長官らに変更申請を認証しないよう申し入れていたことが29日、分かりました。弁護士グループは1990年代から同様の申し入れを繰り返しており、参加してきた弁護士は「文化庁宗務課は私たちに『変更させない』と言ってきたので、変更の認証は驚いた」と証言しています。

 旧統一協会は2015年6月2日に下村文科相に名称変更を申請し、同8月26日に認証されました。

 弁護士グループの全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が申し入れたのは、同協会が申請をする約2カ月前の15年3月26日。下村文科相、文化庁長官、同庁宗務課長あてに申し入れ書を提出しました。

 申し入れ書では、旧統一協会が同年2月に責任役員会議で正式名称を「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に変更すると決定したことを紹介。旧統一協会への社会的批判が高まったことで資金獲得が困難になったため、名称変更で正体を隠して資金や人材獲得をしようとしていると指摘しています。

 全国弁連のメンバーである渡辺博・霊感商法被害救済担当弁護士連絡会事務局長は「97年ごろは旧統一協会が名称変更を狙っていたので、頻繁に宗務課へ足を運び、名称変更をさせないよう申し入れていた。当時は宗務課も『変更はさせない』と言っていた。だから15年に変更を認証したときは驚いた」と証言します。

 97~98年に宗務課長をした前川喜平元文科事務次官も「当時、弁護士らから名称変更をさせないよう要請があったことは聞いていた。旧統一協会は問題ある団体なので、申請そのものをさせなかった」としています。

 下村氏は安倍晋三政権で文科相に就任。旧統一協会系の世界日報社から、自身が支部長の自民党支部で16年に6万円の献金をうけるなどしていました。(統一協会取材班)


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