2022年7月27日(水)
安倍政治礼賛の国葬反対
BS番組 小池書記局長が主張
統一協会問題 改憲など議論
日本共産党の小池晃書記局長は25日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、安倍晋三元首相の国葬や旧統一協会(世界平和統一家庭連合)問題などについて、立憲民主党の小川淳也政調会長、日本維新の会の馬場伸幸共同代表と議論しました。
国民の評価は二分
番組は冒頭、FNNが23、24両日に実施した世論調査で、安倍元首相の国葬の閣議決定について「よかった」が50・1%、「よくなかった」が46・9%で評価が分かれたと紹介しました。
小池氏は国葬について、「共産党は反対だ。国家として安倍政治を賛美礼賛することになる」と批判し、吉田茂元首相の国葬が行われた際の新聞各紙を示し、国葬が吉田氏を全面的に賛美する場になったと紹介。「政府は国民に対して喪に服することは求めないというが、結局、国民への弔意強制につながることが懸念される」と語りました。
また、吉田氏の国葬後の1968年の衆院決算委員会で水田三喜男蔵相(当時)が「(国葬には)法令の根拠はない」と認めた上で、「何らかの基準をつくっておく必要がある」と答弁したと紹介。しかし、その後も基準はつくられず、国葬も行われていないとして、「それをやらず、今回閣議決定で決めるやり方は法治主義・民主主義にとって許してはいけない」と強調しました。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、安倍政治への「価値判断が分かれる」と国論が二分している実態を認めつつ、「(安倍政治への)国外の評価が高い」などとして、国葬に賛成しました。
小池氏は、安倍外交はロシアのプーチン大統領に追従するなどの多くの問題があり、アジア諸国でも評価が分かれていると指摘し、「海外からみても賛美礼賛一色ではない」と反論しました。
共産党攻撃に利用
議論は旧統一協会の問題に。小池氏は「旧統一協会は反社会的なカルト集団だ。霊感商法、集団結婚、違法な勧誘、高額献金を行っており、こういう組織を許していいのかが問われている」と強調しました。
また、岸信介元首相らが旧統一協会と一体の反共謀略団体「国際勝共連合」の日本導入を決めたのは、選挙などで共産党攻撃に利用するためだったと指摘。安倍氏が、被害者救済に取りくむ弁護団からの抗議があったにもかかわらず、2021年に旧統一協会系団体の集会にビデオメッセージを送ったことに触れ、「旧統一協会などが日本共産党を攻撃する点で自民党に大きなメリットのある団体だったことを表している」と述べました。
小池氏は、維新の議員も旧統一協会系団体に祝電を送っていた問題などを語り、馬場氏もメッセージを送ったとの報道に触れ、「相手を確かめて送るのが当然ではないか」と迫りました。
馬場氏は「いちいち調査するのは物理的にできない」と言い訳に終始。さらに小池氏が、旧統一協会系の「世界日報」の1月1日付に馬場氏が登場したことに触れると、馬場氏は「(旧統一協会系だと)聞いてない」と弁解しました。小池氏は「それは無責任だ。旧統一協会側は、世界日報に政治家を出すことで自分たちの団体にお墨付きを与え、布教の材料にしている。『知らなかった』では済まされない」と批判しました。
さらに、FNNの世論調査で改憲の議論が「進んでほしい」と回答した人が7割弱だったことについて問われた小池氏は「その調査でも『岸田内閣に特に取り組んでほしい政策』を聞くと、『憲法改正』は9項目中最下位だ。国民が直ちに改憲を求めていないことは明らかだ」と指摘。岸田首相の改憲への姿勢については、「敵基地攻撃や軍事費2倍化を言い出し、9条に自衛隊を書き込もうとしているのは警戒しなければならない」と語りました。