2022年3月28日(月)
相次ぐ災害 住民疲弊
福島・宮城県沖地震 支援求める声
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最大震度6強を観測した福島・宮城県沖地震。発生から10日が過ぎた26日も、自宅などの片付けが進まない住民の姿があちこちで見られました。「心が折れる」―。震災や水害が相次ぐ中で住民は疲弊しており、支援を求める声が上がっています。(新井水和)
福島・相馬
「体を痛めており、重たい棚を起こせず、片付けを始めることができない」と話すのは、建設会社を営む女性(65)=福島県相馬市=。夫は入院中で、現在1人暮らしをしています。
事務所や機材を置く部屋は今も16日の地震が起きた時のまま。棚が何台もひっくり返り、書類や資材、道具類が床一面に散乱しています。
会社と併設する自宅の風呂は地震後に水圧が下がり、25日まで入れませんでした。被災した世帯から屋根のブルーシート張りなどの修理の注文が入ったほか、年度末の支払いなどに追われ、自宅と会社のことが後回しになっていました。
「2019年の豪雨では、床上浸水で車が3台だめになった。昨年2月の地震でも家の中がめちゃくちゃになって。物を減らし、整理したけど、またこれ」とうんざりした様子で話します。
親戚の家に避難している65歳の女性=同市=は、16日の地震で自宅が崩れました。「昨年2月の地震で家が傷み、この4月に改修が始まるところでした」
1933年築という自宅は屋根の銅板がむき出しになり、割れた瓦が地面に積み重なっています。女性の兄は「古い家も大切な文化。残すためにも支援が必要だ」と訴えます。
被害が大きかった同市内では現在も屋根にブルーシートがかかった家や、倒壊したブロック塀がところどころで見えます。支援が行き届いていないため、自身も被災しながら市民が、ボランティアで被害の聞き取りや、震災で出たゴミ出しを手伝っています。
ボランティアの男性(74)は、「行政の支援がないと、ここに住む人がいなくなってしまう」と指摘します。