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2022年3月27日(日)

気候対策 私たちの手で

世界でデモ ドイツは22万人

 世界数百カ所で25日、若者たちが気候変動への抜本的対策の実施を訴えて一斉に行動しました。気候危機の打開を求めて行動する「未来のための金曜日(FFF)」が呼び掛けました。


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(写真)「地球を支えよう」と訴える若者たち=25日、ブダペスト(桑野白馬撮影)

 【ブダペスト=桑野白馬】「FFFドイツ」によると、ドイツでは300カ所以上で約22万人がデモ行進しました。若者らは、「もうけよりも人間を中心に据えた気候変動対策が必要だ」と強調。「石油は飲めない」「お金では息ができない」と訴えました。

 ロシアによるウクライナへの侵攻に反対する人たちも加わり、「ロシア産のエネルギー依存から脱却せよ」「戦争を止めよう」と書いたプラカードを掲げました。

 アイルランドでは1分間の黙とうし、ウクライナの犠牲者を悼みました。

 英スコットランドでは、同地で昨年開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)時以来の大規模デモとなりました。ゴフさん(18)は地元紙の取材に、「もう先送りできない。だから私たちは再び街頭に出た」と語り、オコナーさん(19)は、石油会社が大もうけする一方で「低所得者は家を暖めるか家族を養うかの選択をしなければならない。これは政策の失敗だ」と批判しました。

 ハンガリーのブダペストでは、地球に見立てた風船を膨らませて持ち上げ「地球を私たちの手で支えよう」とアピール。過去から22世紀の未来を橋に見立て「行き過ぎた資本主義が土台を崩し、若者の未来への道を壊している」と訴える人たちもいました。

 イタリアやスペインでも大規模なデモ行進が行われました。

「気候正義を」世界中で若者 もうけより人のために

「未来を切り開こう」@ワシントン

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(写真)「もうけよりも人間を」と訴える若者たち=25日、ワシントン(島田峰隆撮影)

 【ワシントン=島田峰隆】米首都ワシントンのホワイトハウス前では「FFF米国」などの若者が集会を開きました。高校生・大学生から若者に連帯するおとなまで数百人が参加し、議会前までデモ行進しました。

 バイデン政権は温室効果ガスの排出量を2030年までに05年比で50~52%削減する目標を示しています。若者たちは「バイデン大統領は約束を守って」「もう時間切れになる」「ノーモア化石燃料、再生可能エネルギーへ」「もうけより人間を優先して」と訴えました。

 メリーランド州から参加した高校生のクレマンコープさん(18)は気候変動問題に取り組む米国の若者団体「サンライズ運動」で活動しています。

 クレマンコープさんは「前回の選挙ではみんなで戸別訪問や電話かけに取り組み、気候危機対策に真剣に取り組む議員を連邦下院に当選させることができました。気候危機は深刻です。でも若者が危機を克服して、自らの未来を切り開く力を持っていることを示したい」と話しました。

 ワシントンのほか、ニューヨーク、マイアミ、シアトルなど米各地の主要都市で若者が集会を開きました。

「代わりの地球はない」@ウィーン

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(写真)「地球を救おう」と書いたプラカードを掲げる子どもたち=25日、ウィーン(石黒みずほ撮影)

 【ウィーン=石黒みずほ】オーストリアの首都ウィーンでもデモが行われ、参加者は「今こそ気候正義を」と声を上げました。FFFによると、約1万人が参加しました。

 活動家らが数カ所でリレートーク。気候活動家セイデルさんは、欧州連合(EU)が石油・ガスをロシアから輸入し、ウクライナ侵攻に資金が流れているとし、「プーチン(ロシア大統領)の化石燃料への依存を終わらせなければならない」と訴えました。

 参加者は「代わりの地球はない」「もうけでなく人のために」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げ、音楽に合わせて行進。科学者、教師、芸術家などの団体も参加し、ベビーカーや自転車に子どもを乗せた家族連れが次々と列に加わりました。

 1歳の娘と参加したエスカイラクさん(34)は「娘が気候変動におびえながら生きていくことを考えると悲しい。政治家たちはこの緊急事態を最優先課題として取り組まないといけない」と話しました。

 大学で農業を学ぶライヒトさん(20)は、「政治家たちは利益ばかり追求するのでなく、持続可能な社会を考えていくべき」だと指摘。「戦争反対」と書いたプラカードを持ち、「戦争は環境破壊や不平等を生みだす。どんな戦争もあってはいけない」と語気を強めました。


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