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2022年3月19日(土)

原爆症認めず控訴棄却

大阪高裁 ヒバクシャ訴訟判決

 原爆の放射線によって病気を発症したのに原爆症と認定しないのは不当だとして、被爆者が国に原爆症認定などを求めた「ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟」控訴審の2人の原告(兵庫県と大阪府の男性)に対する判決が18日、大阪高裁(本多久美子裁判長)でありました。判決は、放射線が原因だと認めずに原告の請求を棄却した一審判決を支持し、控訴を棄却しました。

 原告はいずれも長崎市で被爆。食道がんを発症した兵庫県の男性は提訴後に亡くなりました。心筋梗塞と診断された大阪府の小川英昭さん(79)は判決を受け、「納得いかない。周期的に生きるか死ぬかの心臓の病気をくり返しており、今も非常に怖い」と訴え。「生きている限りたたかいます」と上告の意向を示しました。

 弁護団は声明で、判決が控訴理由についての主張に一切触れず、控訴審での医師の尋問に対する検討・判断をまともに行わず、単に一審判決の文字面を整えただけで、裁判所としての任務を放棄していると指摘しました。

 全国の同集団訴訟として最後の高裁判決となる今回の判決。藤原精吾弁護団長は「被爆者が自らの身と人生をさらして、核兵器と人類は共存できないことを知らしめ、核兵器禁止条約発効という大きな前進を切り開いた。一方で、核兵器と原発の危険性は目の前にあり、被害者への国の責任も十分に果たされていない」と述べ、原爆症認定制度の抜本改善を訴えました。


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