2022年3月17日(木)
リニア残土からヒ素
岐阜の処分場 環境基準の2.1倍
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JR東海のリニア中央新幹線(東京・品川―名古屋間)建設工事で、環境基準を上回るヒ素などを含む残土が岐阜県多治見市内の処分場に運び込まれていたことが新たに分かりました。
搬入された残土は2月18日に愛知県春日井市内のリニア中央新幹線「第1中京圏トンネル西尾(さいお)工区」で出たものです。
岐阜県の発表(14日)によると、処分場の残土を検査し、国の環境基準の2・1倍のヒ素と1・5倍のフッ素が検出されました。処分場の排水が流れている川の水質に異常はなかったとしています。
岐阜県はJR東海に再発防止策を講じるよう要請し、2月18日に運び込んだ土砂(約125立方メートル)を速やかに撤去して適正に処理するよう指示。これまでに搬入した土砂についても、検査の実施と報告を求めています。
JR東海は、本紙の取材に「1日1回の頻度で適切に検査を実施している」と説明。「今後の対応は行政や特定事業場(残土処分場)、JV(共同企業体)と調整した上で決めていきます」と返答しました。
リニアを考える愛知県連絡会の川本正彦代表は「住民が知らないうちに処分場が汚染されている可能性もあり、ヒ素などの重金属が雨水とともに流れ出るおそれがあります。掘り出した土砂から少量を採取して行う検査では不十分だ」と指摘しています。