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2022年3月5日(土)

衆院憲法審査会 赤嶺議員の発言(要旨)

 3日の衆院憲法審査会での日本共産党の赤嶺政賢議員の発言要旨は次の通りです。


 憲法審査会において、憲法の個々の条文の解釈を多数で確定させるなどというきわめて乱暴なやり方は断じて認められません。

 しかも、多数により結論づけた報告を衆院議長に提出し、憲法審査会があたかも憲法条文の解釈権をもつかのようにふるまうことは越権行為です。憲法審査会で憲法56条1項の解釈を多数で確定させるなどということは断じてやるべきではなく、反対です。

 議論のやり方も問題です。前回の参考人の意見陳述ではっきりしたのは、56条1項は国会という権力を統制し、乱用を防ぐための極めて重要な規定だということです。高橋和之参考人は規定について憲法上の明確なルールであるのと同時に、「少数者を保護し、権力の乱用を防止するために憲法に定めた」もので、「厳格に解釈、適用することが要求される」と述べました。議院の自律権は憲法条文の解釈権を与えたものではないと指摘しています。

 只野雅人参考人はオンライン出席で、「公開の原則」や「議決権の一身専属性の確保」などの課題を挙げ、慎重に検討するよう繰り返しました。

 参考人が強調したのは、憲法の例外を認めることによる権力乱用の危険性です。高橋参考人は「権力行使の便宜のために統制を外そうというのは、憲法の精神、趣旨に反する」と厳しく批判。コロナ禍や東日本大震災でも国会が定足数を満たせない状況にはなっておらず、立法事実がないと述べ、「極端な事例を出して法律や憲法の改正を行うと、かえって危険の方が大きくなる」と強調しました。只野参考人も「いったん例外を認めると、際限なく広がっていく問題がある」と述べています。

 しかし、今日の審査会では参考人の意見陳述などなかったかのように、「例外的にいわゆる『オンラインによる出席』も含まれると解釈することができる」のが「意見の大勢だ」という、結論だけが先行した報告案を示しています。憲法の専門家の意見を無視し、憲法解釈上の重大な疑義を残したまま結論ありきの報告をまとめても、何らの意味も持たないものだと言わざるを得ません。国会議員として恥ずべきものです。

 いま「緊急事態」をあげつらって改憲に結び付けようとする議論がされていますが、「緊急事態」を口実に、権力を縛る憲法の規定を緩め、立憲主義を踏みにじることは許されません。


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