2022年2月21日(月)
女性4人に1人暴力被害
男性パートナーから WHOなど論文
男性のパートナーから身体的・性的暴力を受けたことのある女性が世界で4人に1人に上るとの推計が明らかになりました。英医学誌『ランセット』(電子版)が16日、世界保健機関(WHO)など国連機関やカナダ、英、独の大学の研究者による共同論文を掲載しました。
論文は、2000~18年に実施された女性に対する暴力に関する諸研究やWHOのデータベースの分析に基づくもの。データは、161カ国・地域から得られています。
その結果、15~49歳の女性の27%が、身近な男性パートナーから身体的ないし性的な暴力、あるいはその両方を経験していると推計しました。少女や若い女性への暴力も早くから始まり、15~19歳の女性の24%、19~24歳の女性の26%が、15歳ですでに暴力を受けているとみられます。
地域的な違いもあり、低所得国では高所得国に比べ、暴力を経験する頻度が高いことも分かりました。
論文は「身近なパートナーが女性に対してはたらく暴力は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の前から、すでに広がっていたことが示された」と分析。パンデミックで「さらに増えているかもしれない」と警告しています。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、「すべての女性や女の子へのあらゆる暴力をなくす」ことを掲げています。
論文は、各国政府が「この目標の達成に向かっていない」と指摘。「政府や地域社会が女性に対する暴力を減らすために注意を払い、投資を増やし、急いで行動する」よう求めています。