2022年2月16日(水)
女性への暴力に抗議
バレンタインデー行動
70カ国以上で
欧米で恋人や家族らと愛を確認する日とされるバレンタインデーの14日、女性へのあらゆる暴力の撤廃を求める「10億人行動(ワン・ビリオン・ライジング)」が世界各地で行われました。この行動は2012年、米国の劇作家イブ・エンズラーさんが呼び掛けたもの。世界の女性の3人に1人、10億人が家庭内暴力や性的暴行などを経験していることにちなんでいます。同行動のウェブサイトによると今回、世界70カ国以上で取り組まれました。
欧州各地
【ベルリン=桑野白馬】欧州各地では、性別や年齢を問わず多くの人が路上に集まって踊り、女性や少女への暴力をなくそうと訴えました。
ドイツの首都ベルリン市内のブランデンブルク門前には数千人が集結。歌手の歌やバンドの楽器演奏に合わせてダンスしました。北部ブレーメン市内には約250人がマスクを着用して参加。主催したエダ・ローナさんは地元メディアに「コロナ禍で特に家庭内暴力が増加している。今こそ暴力をゼロにしなければならないと声を上げることが大切だ」と語りました。
ポーランド西部ポズナニでは「同意のない性交は暴力だ」と書いたプラカードを持ちよった男女約50人が参加しました。今年は新型コロナ対策の影響で、事前に撮影されたビデオが公開される形式も採用されました。
アジア各地
「10億人行動」を支持する女性団体「VDAY」によると、フィリピンのケソン市では13日、女性団体とサイクリング団体が共同で行動し、ピンク色のTシャツを身に着けた参加者が、ピンク色のバラやプラカードを付けた自転車で、約10キロ走りアピールしました。
女性の権利向上を目指す団体「彼女が決める」フィリピン支部のジェシカ・レヤスさんは「自転車を利用する女性は路上でひやかしやセクシュアルハラスメントにあい、通勤や通学で毎日危険に直面している。止めなければならない」と話しました。
アフガニスタンではタリバン暫定政権の下、女性の権利を制限する動きが進んでいます。それに対し、「アフガニスタン女性の革命協会」(RAWA)はアフガニスタンの女性を映した動画を作成。「自由と解放のため」「女性としての私の権利のために立ち上がる」などと書かれたカードを女性が掲げる動画は14日から拡散され、VDAYは「アフガン女性が自由になるまで、われわれも自由でない」と連帯を表明しました。
このほか、インドネシアや香港、インド、カンボジアなどでも行動が取り組まれました。